2018.12.06

BunBun!林道@GARRRR[2016~2018]

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オフロードバイク雑誌『GARRRR』で連載していた林道ツーリングレポート『BUNBUN!林道ツーリング』を休載することになった。といっても、タカハシが政権をゆるがす不祥事をやらかしたとか、編集長を激怒させる大ポカを連発したとか、編集部の予算を使い込んで宴会をしたとかでクビになったわけではない。都合でしばらく休ませてもらうことにしただけだ。

各地のガイドに林道を案内してもらう形をとってきたこの連載だが、もともと予算にゆとりがなく、現地ガイドを雇うようなことはできなかった。にもかかわらず、ボランティアでやってやるよと手をあげてくれたバイク仲間がいたおかげで、どうにかこうにか誌面を作ることができた。

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ガイドなんかいなくても、てめーが勝手に林道行ってパッパと写真撮ってくりゃいいだろという意見もあるだろう。が、タカハシは林道をろくに知らないし、もし知っていたとしても一人で走りに行く技量はなく、仮に一人で行ったとしても、人っこ一人いない泥道の写真なんぞ載せたって、たいして面白い誌面になるハズもない。
どうせロクな記事は書けないんだから、せめて走ってるバイクの写真くらいは載せたいという一念から、無理を承知で毎回仲間にガイドをお願いしてきたというわけだ。

だからこれまでは、連載誌面にもこのブログにも、タカハシの写真は出してこなかった。だが、今回くらいは載せておこう。
副編集長から「オマエはカッコ悪すぎるから絶対誌面に出るな」とクギを刺されていた、ウルトラ・アンスタイリッシュなタカハシが、掟やぶりのロードヘルメットをかぶり、不格好な巨大ザックを背負い、壊れた眼鏡と工具とコインを路傍にまき散らしながら林道を這い回る姿を脳裏に焼き付けておいてもらいたい。

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ここに掲載した写真は、ガイドさんたちがロケの合間に撮ってくれたものだ。読者諸賢にとってはクソ面白くもない写真だが、タカハシ個人にとっては貴重な思い出だ。
休載にあたり、林道ガイド&モデルをつとめてくれた素晴らしいバイク仲間と、連載を支えてくれた数多くの読者に心からの感謝を捧げたい。

『GARRRR』は偶数月の6日、バイクブロスより本体917円で発売中だ。
なお、本誌では書けなかった取材裏話はココ↓から読める。

【取材裏話イラストルポ】 ☜CLICK to READ

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18120607アオリの画はぜひ欲しい。泥道に寝転んで撮る
18120608激安一眼レフを駆使して毎回平均1500カット撮影
18120609アングルの変化を求め、崖さえ見ればよじ登る
18120610林道標識は必ず撮る。メモにはボイスレコーダーを利用していた。
18120611常に何かをなくして探しているタカハシ……
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Thank you guys!    I will be back again!!!!!!!

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※Photo:Athupiro Hayashi / Checcheccherow / Kazuyasu Ohara / Toru Okada / Koji Takehana
※Katsuya Takahashi with HONDA CRM80

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2018.11.28

BunBun!林道@GARRRR[長野県・佐久]

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オフロードバイク雑誌『GARRRR』で連載中の林道ツーリングレポート『BUNBUN!林道ツーリング』、第27回は「空と星の林道旅」と題して長野県佐久市に行ってきた。

林道には障害物が多い。赤ん坊の頭みたいな石ころがフツーにゴロゴロしているし、深いミゾやドロ沼もあれば、雨水で道が川になっていることもある。
ときには丸太のよーな倒木が道路をふさいでいたり、数十センチの段差ができていることもあるが、そんな場所で役立つのがフロントアップと呼ばれるテクニックだ。フロントタイヤを浮かせてアプローチすると、バイクはかなりの高さの障害物も越えられる。

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ただこのフロントアップ、見た目が華やかで人気もある反面、どういうわけかひじょーに難しいワザだと思い込んでいるライダーが多い。いくら練習してもうまくいかないとか、ひっくり返って怖い思いをしたという話もよく聞く。
が、フロントアップはとくに難しいテクニックではなく、どんな初心者でも、安全な方法で30分も練習すれば、少なくともフロントを浮かせることだけは誰でもすぐできるようになる。

佐久のガイドをつとめてくれた渡邊きえさんと休憩中にたまたまそんな話になったところ、彼女も、もう何年も練習しているが一度もできたことがないという。そこでさっそく林道脇の空き地でちょっとだけ練習し、初歩のフロントアップを体験してもらった。

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フロントがふわんと浮けば、バイクの楽しみもふわんと広がる。きえさんにも、いずれはフロントアップで丸太越えにチャレンジしてもらいたい。
もっとも僕自身は、もし林道に丸太なんか転がっていたら、わざわざ乗り越えたりせず、さっさと引き返しちゃうつもりだけど。

末尾に林道入口の位置データを記載しておく。走ってみたい人は自己責任で。
ルート詳細については誌面を読んでほしい。『GARRRR』は毎月6日バイクブロスより本体917円で発売中だ。

なお、本誌では書けなかった取材裏話はココ↓から読める。

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「Tino」のパンは形もいろいろ。林道散策のお供に。
Tino Facebook Page

【林道位置情報】 Google Map
←林道刈取線 北側入口
←林道刈取線 南側入口
←謎林道湯原新田西山線 北側入口
←謎林道湯原新田西山線 南側入口
←謎林道ゆるぎ線 東側入口
←謎林道ゆるぎ線 西側入口
←林道三沢線 南側入口
←林道三沢線 北側入口

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※Model&Guide Kie Watanabe + KAWASAKI Super Sherpa
※Photo:Katz Takahashi

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2018.09.28

BunBun!林道@GARRRR[和歌山・中辺路]

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オフロードバイク雑誌『GARRRR』で連載中の林道ツーリングレポート『BUNBUN!林道ツーリング』、第26回は「紀州激走! 中辺路ロングダート」と題して和歌山県に行ってきた。

中辺路は、古くから熊野本宮へ参詣する人々に親しまれた熊野古道の集落だ。一帯は熊野三山の一画を成し、修験道の聖地としても知られている。

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修験者だ山伏だというと、白い法衣に草履履きで、ぶおーんと法螺貝を吹いて崖から逆さ吊りにされているイメージくらいはあるものの、実際には正体不明の謎のお坊さん的な人たち……と思っている人のほうが多いだろう。
修験道は、伝説上の謎人物、役小角(えんのおづの/おづぬ)を開祖とし、神道と仏教と山岳信仰をミックスした謎の信仰だ。が、あまりに謎が多すぎるもんだから、いったいナニをやってるのかうまく説明できず、たいてい山奥でやってるせいもあって、いまひとつメジャーになりきれてない面がある。

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考えてみれば林道ツーリングだって、いったいナニが楽しいのかうまく説明できず、たいてい山奥でやってるせいもあって、いまひとつメジャーになりきれてない趣味だという点で、修験道とよく似ている。
熊野中辺路あたりは、修験者にとっても、林道ライダーにとっても、マイナー心を激しくそそる居心地バツグンの聖地といえそうだ。

末尾に林道入口の位置データを記載しておく。走ってみたい人は自己責任で。
ルート詳細については誌面を読んでほしい。『GARRRR』は毎月6日バイクブロスより本体917円で発売中だ。

なお、本誌では書けなかった取材裏話はココ↓から読める。

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オシャレ山カフェ「パラダイス・カフェ」ではうまいパスタが楽しめる。

【林道位置情報】 Google Map
←林道坂泰線 入口
←林道虎ケ峰坂泰線 東側入口
←林道虎ケ峰坂泰線 西側入口

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※Model&Guide
Yoshihiro Hanamitsu + HONDA CRF1000L Africa Twin
Mariko Matsumoto + HONDA XLR200
TAMA-chan + KTM EXC-F250
※Photo:Katz Takahashi

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2018.09.11

YAMAHA XJ400

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高3の夏、バイクの免許を取ったのは、当時ひそかに家出を計画していたからだ。頭のデキが悪いタカハシにとって学校は地獄でしかなく、大学進学なんぞもってのほか、高校まではギリ我慢するとして、卒業したらすぐに家を飛び出そうと考えていた。が、移動にいちいち電車賃がかかるのがイヤだったから、中型二輪免許を取ってバイクに乗ることを思いついた。
当時は三ナイ運動のただなかで、高校生がバイクの免許を取ることもバイクを買うこともバイクに乗ることも御法度だったが、ろくに根拠のないカス校則なんぞに従う義理はどこにもなく、今さらそれをそろそろ時効だなどと言うつもりもない。

教習所で講習をうけていちばん驚いたのは、「バイクは転倒する」という衝撃の事実を知ったときだった。タカハシはそれまで実物のバイクをほとんど見たことがなく、バイクの転倒も見たことがなかったから、あんなデカイ機械がまさか転ぶとは思わず、内部にジャイロ装置くらいは仕込んであって、絶対転ばないようにできてるものと思い込んでいた。安全教育フィルムの中でスッ転んでいるバイクを初めて見たときは、こんなものに乗る連中は頭がおかしいと、だいぶ批判的な気分にさせられたものだった。

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それでも家出だけはどうしてもしたかったので、もらっていた奨学金(というのは内緒だったんだけど、まあこれはそろそろ時効)をつぎこんでバイクの購入資金にした。遠くに逃げるなら排気量が大きいヨンヒャクがいいと思い、近所の店で中古のヤマハXJ400を18万円で買った。ヘルメットを買う金はなかったから、店員にマケろマケろとしつこく交渉して、いちばん安い黒ヘルメットをつけてもらった。

DOHC 2バルブ空冷4ストローク4気筒398cc、最高出力45ps、乾燥重量176㎏、これがXJ400の概要だ。見た目はスポーツバイク風だが、じつはエンジンもブレーキもサスもまあまあフニャフニャで、ガッツリ峠を攻めるハードなライディングには向かない。でも、ライディング自体がフニャフニャだったタカハシには、まあまあピッタリのバイクだったといえなくもない。

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写真はたしか初めて峠を走ったときのもの。いかにも初心者まるだしのフォームが見苦しいが、それでもバイクは性にあったのか、ツーリングに出かけたり、近所の峠に日参したり、シグナルGPの敵手を探して街をうろついたりと、平均的な当時のバイク少年並みに一通りの楽しみが味わえた。
たまたまバイクのオマケにもらったヘルメットが黒かったし、革ジャンも黒かった。安いという理由だけで、黒いパンツと黒いブーツと黒いグローブという全身地味な黒ずくめで走っていたせいで、地元の峠で「カラス」とあだ名されていたのもこの頃だ。

ところでタカハシの家出計画は、けっきょく実現しなかった。たまたま知り合ったバイク仲間に「そんなに勉強したくないなら美大に行けば? ラクガキさえしてりゃ誰でも卒業できるんだし」とそそのかされ、それを真に受けて急きょ美大を受験したら合格してしまい、そのまま卒業して貧乏イラストレーターになってしまった。
今まで大きなバイク事故は起こしたことがないと思い込んでいたが、よく考えてみれば、もしかすると、あれがタカハシが起こした人生最大のバイク事故だったのかもしれない。

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2018.08.11

BunBun!林道@GARRRR[和歌山県・龍神]

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オフロードバイク雑誌『GARRRR』で連載中の林道ツーリングレポート『BUNBUN!林道ツーリング』、第25回は「紀州激走! 龍神街道ロングダート」と題して和歌山県に行ってきた。

紀伊半島は陸の孤島だ。急峻な山々を擁する半島の周囲には、海浜部をつたってぐるりとJR紀勢本線と国道42号が走っているが、そのほかに効率的な陸路はない。
半島内陸部には他にもいくつか国道があるが、国道とは名ばかりの山坂道がほとんどだ。いったん大阪側から紀伊半島にアクセスすると、国道42号をヘトヘトになるまで走り続けて伊勢へ抜けないと生還がおぼつかないため、京阪神のライダーは国道42号線を"死に号線"と呼ぶことすらある。

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地元住民の悲願だった交通網の整備は遅々として進んでいない。自動車道路としては、半島付け根から南端の串本までを縦断する国道371号・龍神街道が整備されつつあるものの、鉄道はまったくなく、紀伊半島内陸部はいまだに巨大な鉄道空白地帯のままだ。
紀伊半島は交通網の不備が足かせとなり、経済発展を阻まれてきた。しかし皮肉にもそのおかげで、今日に至るまで豊かな自然環境が保たれたともいえる。

紀伊半島の名は、旧国名の紀伊国(きのくに)からとられているが、それも元をたどれば「木の国」に由来する。国道"死に号線"に取り囲まれた半島内陸部は、古くから緑の木々がおいしげり、鹿と熊と猿と猪が今なお跋扈する命の山なのだ。

末尾に林道入口の位置データを記載しておく。走ってみたい人は自己責任で。
ルート詳細については誌面を読んでほしい。『GARRRR』は毎月6日バイクブロスより本体917円で発売中だ。

なお、本誌では書けなかった取材裏話はココ↓から読める。

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【林道位置情報】 Google Map
←林道猪笹線 県道側入口
←林道中の河線 入口
←林道西ノ河線 入口
←林道小森2号線 入口

※Model&Guide Kazuyasu Ohara +  CRF450X
※Photo:Katz Takahashi

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2018.07.15

BunBun!林道@GARRRR[埼玉県・小鹿野町]

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オフロードバイク雑誌『GARRRR』で連載中の林道ツーリングレポート『BUNBUN!林道ツーリング』、第24回は「バイクの森、小鹿野の道をゆく」と題して埼玉県小鹿野町に行ってきた。

小鹿野は秩父盆地の真ん中にある小さな町だ。全国でも珍しい「オートバイによるまちおこし事業」を展開し、首都圏のライダーによく知られている。だがその主力施設として開設したバイク博物館「バイクの森おがの」は2009年の開館の翌年、2010年には早くも閉館の憂き目を見た。町おこし事業はけっこう苦戦を強いられている。

だが、なにも小鹿野町だけが苦戦しているわけではない。バイク業界はこの20年というもの、苦戦につぐ苦戦にあえいでいる。その原因のひとつは、「もはやオッサンしかバイクに乗ってない」というライダーの現状だ。かつては華々しい若者文化だったバイクは、いまや若かりし頃を懐かしむオッサンの自己満足趣味に成り下がり、若者はバイクなんぞに見向きもしなくなっている。

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未来を担う有意の若者がバイクに乗らなくなった原因はいくつかある。が、そのうち最大のものは、「女子がバイクにキャーキャー騒がなくなった」ということだ。
バイクに乗ってる男子がカッコよかったのは昭和の昔話であり、今となってはバイク男子を喜ぶ女子などまずいない。メーカーは、どこかの可愛いアイドルとかに多額の金を払い、(たとえ本人的にはちっとも興味がなくてもお仕事として)バイクを見たらワケもわからずキャーキャー騒いでもらえるよう広報面の努力を怠らないでほしい。

女子さえ騒げば、たいていの男はどうにかして金を工面し、暑さにも寒さにも事故にすらも耐えてバイクに乗る。タカハシだって、女子さえキャーキャー騒ぐなら、もっと真面目にバイクに乗る。沈滞したバイク業界もコレ一発でたちまち活気を取り戻すだろう。

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ただタカハシ個人は、17歳の時からずっとバイクに乗り続けているにもかかわらず、今まで一度として女子に騒がれたためしがない。残念ながらタカハシがもともと激しくカッコ悪く生まれついてしまったという個人的・生物学的ハンデが主たる原因だ。が、他の一因として、コケまくってボロボロになった汚いバイクで林道を走っており、いつも汗くさく埃まみれだという点も挙げられなくはない。

もしバイクに乗って女子にキャーキャー騒いでほしければ、最低でも、見る角度によってはややイケてる捨て犬に見えるレベルに生まれついておこう。また、間違っても薄汚い林道なんぞに走りに行かないことが最も重要である。

Bunbunbestselectioncover ちなみに今月号の『GARRRR』には、タカハシの連載を全編フルカラーで一気にまとめて13本再掲載した別冊付録『BunBun!林道Touring BEST SELECTION』がついている。女子になんぞモテなくても構わないと言いきれる豪胆不敵な勇者諸君は、ぜひこれを携えて林道に乗り込んでみてほしい。『GARRRR』は毎月6日バイクブロスより本体917円で発売中だ。

末尾に林道入口の位置データを記載しておく。走ってみたい人は自己責任で。
なお、本誌では書けなかった取材裏話はココ↓から読める。

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「そば福」の絶品とろろざる。のどごし涼しい820円。

【林道位置情報】 Google Map
←林道柏沢線 入口
←林道藤指線 入口
←謎林道(皆本沼里支線) 入口
←林道八日見線 北側入口
←謎林道(四季の道線)線 西側入口
←謎林道(四季の道線) 東側入口/謎林道(秋葉山線)入口
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※Model&Guide Tomoko Kitajima + YAMAHA SEROW225
※Photo:Katz Takahashi

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2018.06.12

BunBun!林道@GARRRR[長野県・高ボッチ高原]

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オフロードバイク雑誌『GARRRR』で連載中の林道ツーリングレポート『BUNBUN!林道ツーリング』、第23回は「高ボッチ高原散策の旅」と題して長野県に行ってきた。

高ボッチ高原の林道ガイドは、車山高原でペンション「リゾートイン・スクアミッシュ」を営む中橋孝之さん。タカハシにそそのかされて最近うっかりオフロードバイクを買ってしまい、林道どころかダート走行すら初めてなのに、いきなり高ボッチ高原に連れ出された「名ばかりガイド」だ。しかしその適性は驚異的で、慣れないライダーなら誰もが二の足を踏むガレガレのルートも平然と走り切っていた。
中橋さんはふつうの初心者ではない。もともと四輪ジムカーナで活躍していた本格派のモータースポーツ・ドライバーであり、いまはタカハシのレーシングカート仲間でもある。

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レーシングカートは、サスペンションもトランスミッションも持たない、小さなレース用四輪車だ。ステアリングやペダルといった操作系は四輪そのものだが、ドライバーが積極的に体重移動を使ってマシンコントロールを行う操作特性はむしろ二輪に似ており、動力性能も小型二輪に近い。そのため、まったく初めてカートに乗る場合には、どちらかといえば四輪ドライバーよりも二輪ライダーのほうが有利といわれるほどだ。いわばカートは二輪と四輪の中間の性質をもつ乗り物だといえる。

タカハシは、四輪モータースポーツの世界にいた中橋さんを、まずふわっと四輪・二輪ハイブリッドなカートの世界に引きずり込み、続いてタイヤの数を四輪からキッチリ半分に減らして、本格的な二輪の泥沼に引きずり込むことに成功した。

この次はさらにタイヤの数を半分に減らし、一輪車の魔界に引きずり込んで、ボリショイサーカスに売り飛ばそうと画策しているところだ。(←てか、何がしたいの?)

末尾に林道入口の位置データを記載しておく。走ってみたい人は自己責任で。
ルート詳細については誌面を読んでほしい。『GARRRR』は毎月6日バイクブロスより本体917円で発売中だ。

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「親ゆづりの味」の塩嶺ラーメン800円。一本スジの通った秘伝の味。
■Facebook page■

「リゾートイン・スクアミッシュ」のサイト。タカハシのイラストも掲示。
■website■

【林道位置情報】 Google Map
←林道片丘南部線 南側入口
←林道片丘線 西ルート北端入口
←謎林道(舟窪線) 高ボッチスカイライン入口
←謎林道(東山支線) 東側入口

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※Model&Guide Takayuki Nakahashi + KAWASAKI KDX125
※Photo:Katz Takahashi

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2018.05.15

BunBun!林道@GARRRR[静岡県・足柄]

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オフロードバイク雑誌『GARRRR』で連載中の林道ツーリングレポート『BUNBUN!林道ツーリング』、第22回は「金太郎を追う足柄の旅」と題して静岡県足柄周辺に行ってきた。

足柄といえばまさかり担いだ金太郎、まさかり担いだ金太郎といえば足柄だ。とはいうものの、じゃあその金太郎って何? と言われると「赤い腹掛けをしてまさかりを担ぎ、クマにまたがった怪力童子」というビジュアルしか浮かんでこない人のほうが多いだろう。

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日本で最も有名な太郎、桃太郎は、きび団子で知られる岡山県が本拠地とされがちだが、それは岡山県が必死に宣伝活動をしたからで、史実としての根拠があるわけではない。ほかにも奈良県磯城郡、愛知県犬山市、香川県高松市、山梨県大月市などが桃太郎ゆかりの地として名乗りをあげていて、どこにいた人物なのか、またはどこにもいなかった人物なのかすらよくわかっていない。

同様に有名をきわめる深海探索系の太郎、浦島太郎も、一般には京都府丹後地方の説話とされているものの、いっぽうで神奈川県横浜市や香川県三豊市、遠くは沖縄県、さらには海とはまるっきり縁のない長野県木曽地域にまでその伝説が残っている有様。実態はまったくわからない。

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怪力無双でその名をとどろかす山岳アクション系の太郎、金太郎も、昔話の例にもれず正体来歴ほぼ不明の謎の男である。
坂田金時(さかたのきんとき)の幼名だということはよく知られているが、それが実在の人物だったという証明はない。またその伝説も、足柄ばかりでなく、長野県南木曽町や新潟県青海町、滋賀県長浜市など、各地にばらばらと残っていて、金太郎が本当は何者なのか知る者はいない。

伝説とはそれほど曖昧なものだが、足柄には金太郎の足跡があちこちに残されていて、地元の人々の思いもまた熱い。それをみると、史実の探求はちょっと措いて、金太郎はこの山に暮らしていたってことにしといていいんじゃないかなとも思わされる。

末尾に林道入口の位置データを記載しておく。走ってみたい人は自己責任で。
ルート詳細については誌面を読んでほしい。『GARRRR』は毎月6日バイクブロスより本体917円で発売中だ。

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180506exfood「万葉うどん」のおでん。セルフで選べる1串130円の手軽な名物だ。
■Twitter■

【林道位置情報】 Google Map
←林道角取線 東側入口
←謎林道東富士線 分岐
←林道中島線・林道生土不老山線 西側入口
←林道大沢線 北側入口
←謎林道戦ケ入り線 東側入口
←林道北駿線・林道金時線 入口

180506ex富士が映える足柄峠のワインディング。

※Model&Guide CheCheCherow + YAMAHA SEROW250
※Photo:Katz Takahashi

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2018.04.29

BunBun!林道@GARRRR[千葉県・養老渓谷]

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オフロードバイク雑誌『GARRRR』で連載中の林道ツーリングレポート『BUNBUN!林道ツーリング』、第21回は「地磁気逆転! 養老渓谷チバニアンの旅」と題して千葉県養老渓谷周辺に行ってきた。

千葉・養老渓谷には地磁気が逆転した謎の地層が露出するスポットがある。この地層が示す地質時代を名付けるにあたり、イタリアチームによる「イオニアン」と日本チームが推す「チバニアン」が熾烈なプレゼン合戦を繰り広げてきた。しかし2017年11月にチバニアン(仮)が事実上の勝利をおさめ、いまや国際地質科学連合の正式承認を待つばかりとなっている。

地質時代といえば、古生代カンブリア紀や中生代ジュラ紀、白亜紀なんかがよく知られているが、46億年前の地球誕生以来、現在にいたるまでの地質時代はじつに100以上に分類されており、なんとその中の新生代第四期中期更新世の呼称がチバニアン(仮)として認められる見通しなのだ!(←もう大興奮!!)(←するよね?)(←するってば興奮するよね?)

Exchibanianこれが全世界で話題沸騰のチバニアン(仮)だ!

ついに日本の地名「千葉」が地球史上に深く濃く永久に刻まれる……これは千葉県民のみならず、1億2000万日本国民すべてにとって死ぬほどホットな話題のはずだが、なぜか日本メディアは4年に一度のくだらないスポーツ大会や政治家のセクハラ疑惑なんぞに夢中で、かんじんのチバニアン(仮)がさほど取り上げられていないのが残念でならない。

断じてこのままでいいハズがない!
誇り高き千葉県民よ、さあ今こそ目をさませ!!

615万県民のふるさと、最愛の千葉の地を海外企業に蹂躙され、あろうことか米国製チュウチュウ黒ネズミ公園なんぞ建設され、あまつさえ「東京○○ランド」などという屈辱的な名前までつけられたにも関わらず、ちぎれんばかりにシッポを振って喜ぶ嘆かわしい日々には、もうきっぱりと別れを告げよう。
今こそピーナッツをガンガンぶちこんだチバニアン(仮)せんべいを焼き、アサリをこってり練り込んだチバニアン(仮)まんじゅうを大量生産して、チバニアン(仮)の名と輝かしき千葉の栄誉を全国に、いや、あまねく世界にとどろかせようではないか!!

あ、そうそう、じつはここからが本題なんですけどね千葉の皆さん。
もしチバニアンのゆるキャラとか必要なら、(自称)悲運の天才イラストレーター、タカハシにも一枚噛ませてもらえないですかね? お安くデザインしますよ。ちなみにキャラの名前は「地磁気ぐるぐるちゃん」の一択でいきたいと思ってるんですけど、どうですかね?

末尾に林道入口の位置データを記載しておく。走ってみたい人は自己責任で。
ルート詳細については誌面を読んでほしい。『GARRRR』は毎月6日バイクブロスより本体917円で発売中だ。

なお、本誌では書けなかった取材裏話はココ↓から読める。

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Exfood安くてうまい高滝ダム記念館のロースとんかつ定食、850円
■website■

【林道位置情報】 Google Map
←林道西沢線 入口
←林道安場線 入口
←林道大福山線 北側入口
←林道加茂線 入口
←林道大福山線 南側入口

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[取材協力]千葉レスキューサポートバイク ■website■  

※Model&Guide
:Boso-zoku #1(Toru Okada)+ BMW G650 GS SERTAO
:Boso-zoku #2+ HONDA CRF250 RALLY
:Boso-zoku #3+ HONDA CRF250 RALLY
※Photo:Katz Takahashi

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2018.04.06

BunBun!林道@GARRRR[京都府・山城]

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オフロードバイク雑誌『GARRRR』で連載中の林道ツーリングレポート『BUNBUN!林道ツーリング』、第20回は「京都・山城 春待ち林道ツーリング」と題して京都・山城エリアに行ってきた。

京都といえば、碁盤の目の街路に「うなぎの寝床」と呼ばれる町家や神社仏閣が建ち並び、だらりの帯の舞妓はんがぽっくりを鳴らして行き交うはんなり系観光都市だと思っている人もいるだろう。むろんけっして間違いではない。

しかしそれはかつての平安京にあたる京都市街中心部だけの話。京都府下には、平安京の人々から僻地とみなされ、ときに蔑まれてさえいる丹波、丹後、山城などのエリアがある。あるどころか、じつはこれら辺境エリアは京都府の大半を占めるほど圧倒的に広大で、京都の本質ともいえる地域なのだ。

丹波は亀岡市などを含む西部の山地にあたり、丹後は宮津市などを含む北部山地や海浜部をいう。今回走った山城は南部の丘陵地帯だ。いずれも、「いわゆる京都」とは一線を画する田舎ムード全開のエリアだが、なかでも山城にはとりわけ華がない。だらーーーんとゆるゆるの丘が広がっているだけで、めぼしい観光資源がほとんどないためだ。

観光客だと退屈するだろう。というか、もし初めての京都旅行が山城エリアだという人がいたら、かなりマニアックなモノを調べている怪しい研究者か、だいぶ頭のヨワい産業スパイか、よっぽど度の過ぎた変態くらいのものだろう。

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ただ林道ライダーにとっては、山城はそう悪くない土地だ。誰でもいつでも走れるイージーな林道が多いうえ、平安京ではとても受け付けてもらえない泥まみれのオフロード・ウエアで食堂に乗り込んでも嫌な顔ひとつされない。ふわんとゆるゆるな京都を楽しみたいライダーにはオススメだ。
どうせオフロードライダーなんて、もともと度の過ぎた変態ばかりなんだから、今さら変態扱いをおそれる必要もない。ぜひ初めての京都旅行には山城エリアを選び、さらなる変態への道を驀進してみてほしい。

末尾に林道入口の位置データを記載しておく。走ってみたい人は自己責任で。
ルート詳細については誌面を読んでほしい。『GARRRR』は毎月6日バイクブロスより本体917円で発売中だ。

なお、本誌では書けなかった取材裏話はココ↓から読める。

【取材裏話イラストルポ】 ☜CLICK to READ

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「たなか家」の西京うどん。ゆず胡椒が香る600円。
■website■■たなか家■

【林道位置情報】 Google Map
←林道奥山北谷線 入口
←林道三上山今ケ谷線方面支線 入口
←林道片原山線 入口
←謎林道(仮・天神川線) 西側入口

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※Model&Guide Toshikazu Iwata + YAMAHA SEROW225
※Photo:Katz Takahashi

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