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2018.09.28

BunBun!林道@GARRRR[和歌山・中辺路]

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オフロードバイク雑誌『GARRRR』で連載中の林道ツーリングレポート『BUNBUN!林道ツーリング』、第26回は「紀州激走! 中辺路ロングダート」と題して和歌山県に行ってきた。

中辺路は、古くから熊野本宮へ参詣する人々に親しまれた熊野古道の集落だ。一帯は熊野三山の一画を成し、修験道の聖地としても知られている。

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修験者だ山伏だというと、白い法衣に草履履きで、ぶおーんと法螺貝を吹いて崖から逆さ吊りにされているイメージくらいはあるものの、実際には正体不明の謎のお坊さん的な人たち……と思っている人のほうが多いだろう。
修験道は、伝説上の謎人物、役小角(えんのおづの/おづぬ)を開祖とし、神道と仏教と山岳信仰をミックスした謎の信仰だ。が、あまりに謎が多すぎるもんだから、いったいナニをやってるのかうまく説明できず、たいてい山奥でやってるせいもあって、いまひとつメジャーになりきれてない面がある。

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考えてみれば林道ツーリングだって、いったいナニが楽しいのかうまく説明できず、たいてい山奥でやってるせいもあって、いまひとつメジャーになりきれてない趣味だという点で、修験道とよく似ている。
熊野中辺路あたりは、修験者にとっても、林道ライダーにとっても、マイナー心を激しくそそる居心地バツグンの聖地といえそうだ。

末尾に林道入口の位置データを記載しておく。走ってみたい人は自己責任で。
ルート詳細については誌面を読んでほしい。『GARRRR』は毎月6日バイクブロスより本体917円で発売中だ。

なお、本誌では書けなかった取材裏話はココ↓から読める。

【取材裏話イラストルポ】 ☜CLICK to READ


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オシャレ山カフェ「パラダイス・カフェ」ではうまいパスタが楽しめる。

【林道位置情報】 Google Map
←林道坂泰線 入口
←林道虎ケ峰坂泰線 東側入口
←林道虎ケ峰坂泰線 西側入口

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※Model&Guide
Yoshihiro Hanamitsu + HONDA CRF1000L Africa Twin
Mariko Matsumoto + HONDA XLR200
TAMA-chan + KTM EXC-F250
※Photo:Katz Takahashi

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2018.09.11

YAMAHA XJ400

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高3の夏、バイクの免許を取ったのは、当時ひそかに家出を計画していたからだ。頭のデキが悪いタカハシにとって学校は地獄でしかなく、大学進学なんぞもってのほか、高校まではギリ我慢するとして、卒業したらすぐに家を飛び出そうと考えていた。が、移動にいちいち電車賃がかかるのがイヤだったから、中型二輪免許を取ってバイクに乗ることを思いついた。
当時は三ナイ運動のただなかで、高校生がバイクの免許を取ることもバイクを買うこともバイクに乗ることも御法度だったが、ろくに根拠のないカス校則なんぞに従う義理はどこにもなく、今さらそれをそろそろ時効だなどと言うつもりもない。

教習所で講習をうけていちばん驚いたのは、「バイクは転倒する」という衝撃の事実を知ったときだった。タカハシはそれまで実物のバイクをほとんど見たことがなく、バイクの転倒も見たことがなかったから、あんなデカイ機械がまさか転ぶとは思わず、内部にジャイロ装置くらいは仕込んであって、絶対転ばないようにできてるものと思い込んでいた。安全教育フィルムの中でスッ転んでいるバイクを初めて見たときは、こんなものに乗る連中は頭がおかしいと、だいぶ批判的な気分にさせられたものだった。

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それでも家出だけはどうしてもしたかったので、もらっていた奨学金(というのは内緒だったんだけど、まあこれはそろそろ時効)をつぎこんでバイクの購入資金にした。遠くに逃げるなら排気量が大きいヨンヒャクがいいと思い、近所の店で中古のヤマハXJ400を18万円で買った。ヘルメットを買う金はなかったから、店員にマケろマケろとしつこく交渉して、いちばん安い黒ヘルメットをつけてもらった。

DOHC 2バルブ空冷4ストローク4気筒398cc、最高出力45ps、乾燥重量176㎏、これがXJ400の概要だ。見た目はスポーツバイク風だが、じつはエンジンもブレーキもサスもまあまあフニャフニャで、ガッツリ峠を攻めるハードなライディングには向かない。でも、ライディング自体がフニャフニャだったタカハシには、まあまあピッタリのバイクだったといえなくもない。

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写真はたしか初めて峠を走ったときのもの。いかにも初心者まるだしのフォームが見苦しいが、それでもバイクは性にあったのか、ツーリングに出かけたり、近所の峠に日参したり、シグナルGPの敵手を探して街をうろついたりと、平均的な当時のバイク少年並みに一通りの楽しみが味わえた。
たまたまバイクのオマケにもらったヘルメットが黒かったし、革ジャンも黒かった。安いという理由だけで、黒いパンツと黒いブーツと黒いグローブという全身地味な黒ずくめで走っていたせいで、地元の峠で「カラス」とあだ名されていたのもこの頃だ。

ところでタカハシの家出計画は、けっきょく実現しなかった。たまたま知り合ったバイク仲間に「そんなに勉強したくないなら美大に行けば? ラクガキさえしてりゃ誰でも卒業できるんだし」とそそのかされ、それを真に受けて急きょ美大を受験したら合格してしまい、そのまま卒業して貧乏イラストレーターになってしまった。
今まで大きなバイク事故は起こしたことがないと思い込んでいたが、よく考えてみれば、もしかすると、あれがタカハシが起こした人生最大のバイク事故だったのかもしれない。

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