YAMAHA SEROW 225
ヤマハ セロー225は、1985年に初期型が発売されてから現在に至るまでシリーズ生産され、驚異的なロングセラーを記録したオフロードバイクだ。
もっとも現行モデルは、2005年のフルモデルチェンジで250ccにスケールアップしている。それでも、いまだに小型・軽量の225ccを好み、中古を探す熱心なファンが絶えない。
知人のNさんが、最近セロー225を手に入れたと知り、近所のコースで遊ばせてもらってきた。
どちらかといえば山奥の坂道をグリグリ登ったりするのが得意なバイクだが、開ければ開けただけ素直に回るエンジンのおかげで、モトクロスコースもストレスなく楽しめる。
セロー225は、過不足ないパワーとほどほどの足まわり、軽量コンパクトなボディで、バンバン振り回してもとっちらからない優れた操縦安定性を手に入れた。
良くも悪くも突出した部分がない。クセらしいクセもない。スペック的にもろくすっぽ見るべきところはなく、何から何まで平凡な無個性きわまる一台だが、そのかわり限界挙動が超マイルドで、誰が何をやっても怖さがなく、シンプルに走りを楽しめる。
いわば無個性こそが、このマシン最大の個性だともいえる。
セロー225は、林道ツーリングをしっとりじっくり味わいたいナイスミドル系上級者から、他のことはともかくひたすら足着き性だけが気になる女子、今日からオフロードを走り始める子ウサギハートな初心者まで、どんなライダーでも、どんなフィールドでも、安全に走れる究極のオールラウンダーなのだ。
「どのバイクに乗ってもすぐコケる」と批判され、しょっちゅう石やスパナを投げつけられているタカハシですら一度も転ばず走れたのだから、それだけで充分セローの安全性がわかるだろう。ほどほどのジャンプなら、まろやかな跳び心地
リニアな出力特性で思い切ったコーナーワークが可能
ウイリーしてもマクレにくくて遊びやすい
アクセルターンも簡単で、狭い場所での取り回しは抜群
さてこの写真↑は、また別のセロー225だ。
みんなと高原林道ツーリングに行ったとき、気圧低下でタカハシのポンコツエンジンが全然まわらなくなり、楽しく走っている他のバイクを横目にメソメソ泣いていじけていたら、哀れんでくれたのか、うっとうしいから早く泣きやませようとしたのか、仲間のKさんがこのセローを貸してくれた。
誰かにバイクを借りるときは、またバカスカ転んで悪口を言われるんじゃないかと常にビクビクしているタカハシだが、今回は「セロー225はすでに試乗して、一度もコケずにすんだ」という実績があるため、自信満々にまたがった。
が、そのとたん、まだ走り出さないうちに、いきなりガチャンと立ちゴケを喰らい、再び泣いて謝るハメになった。
すばらしい運動性能と安定性を兼ね備え、名機と呼ぶにふさわしいセロー225だが、なんと停止時だけは、少なくとも片足を地面に着いて支えないと倒れてしまう粗悪な設計になっているらしい……。
まさにヤマハ痛恨の車体設計ミスである!
タカハシとしても、いつか35年ローンで激安中古車を買うか、友達からタダでもらうか、どこかに落ちてるやつを拾うかしたいと思っていた超フェイバリットなバイクだけに、この唯一の欠点が残念でならない。
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