Kawasaki GPZ750R Ninja

たしか1985年頃に撮影した古い写真だ。一緒に近所の峠に走りに行った友人Gさんが、買ったばかりのカワサキGPZ750Rを貸してくれた。
GPZ750Rには「ニンジャ」という愛称がついている。アメリカのゲーセン少年好みの安っぽいネーミングは、こけおどし感まんまんの鋲付きフェアリングとともに、いかにも80年代的なご愛敬を感じさせる。
搭載された水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒748ccエンジンは、77psのハイパワーを誇る。しかし、いくらパワーがあったって、乾燥重量228kgのヘヴィ級だから、やっぱり重い。
カワサキは、当時主流となりつつあった16インチのフロントホイールを採用して、なんとか重さをごまかそーと躍起になっていたが、おかげでターンインでフロントが切れ込みまくる恐怖の操縦性が生まれてしまった。そのくせカワサキ特有のストレートでのタチの強さはあいかわらずだったから、結果としてやたらと乗りにくいマシンになっていた。
この写真を撮ったあとは、当時タカハシが乗っていたGSX750Sカタナとともにナナハン2台で林道へ。ダートでバトルの続きをやることになった。しかし、ただでさえノロマなヘタレライダー タカハシが、モトクロスで鳴らしたGさんにかなうはずもない。みるみるうちに引き離され、GPZ750Rは、リアタイヤが巻き上げるモウモウたる土煙の彼方へと姿を消した。
……と思ったら、Gさんはコーナーで思いきり転倒してバイクの下敷きになり、死にかけのカブトムシのようにジタバタもがいていた。全身血まみれになった彼がくやしそうに語ったところによれば、「せっかくやから、一発カウンタージャンプでもキメたろ」と、コーナリング中のギャップで大ジャンプを試み、みごとヒラリと宙には舞ったものの、あいにく着地に失敗したんだそうだ。
どうやらGPZ750Rは、派手なカウンタージャンプをキメるには少し重すぎたようだ。あとほんのチョビッとだけ、具体的な数値でいえば、だいたい100kgくらい軽ければよかったのにと惜しまれる。
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