F.ドリーム平塚 Night Drive

ちょっと前までは「F-1ドリーム平塚」を名乗っていたが、さいきん微妙に名前が変わって「F.ドリーム平塚」になった。権利関係のモメ事でもあったのだろうか。その名のとおり、神奈川県平塚市にある。
アスファルトにパイロンをならべ、部分的にゼブラ縁石を設けた、470メートル・時計まわりのレンタルカート専用コース。ショート・トラックに10個ものコーナーを詰め込んでいるから、ステアリングが忙しく、横Gがあまりかからないわりに、腕や手首には厳しいレイアウトだ。
200ccのスバルEXエンジンを積んだカートは、ガチ初心者にはオーバーパワー気味だが、そのぶんトルク感たっぷりでスリリングだ。スロットルワークが単調なコースだが、ブレーキとステアリングにはそーとーの繊細さが必要だから、上級者でもじゅうぶん楽しめるだろう。
夜間の営業時間が長いのも特徴のひとつだ。22時まで(冬期は21時まで)走れるため、仕事帰りに立ち寄るドライバーも多い。
ただ、照明が一部でかなり暗い。慣れれば問題ないが、初めて走るパイロン・コースが真っ暗闇だと、どこにコーナーがあるかさえわからない。むやみと当てずっぽうに進入すると、いきなりウォールに突き刺さったりするから、せめて最初の数ラップは控えめにいきたいところだ。
今回は、大雨警報発令のなか、ナイト+超ヘヴィ・レインのコンディションで走ってきた。レインウエアは借してくれるが、一度でも水たまりに突っ込むと、下着まで瞬時にびしょ濡れになる。雨具はたんなる気休めだと思っておこう。
雨のナイトランでは、照明が乱反射して前が見えなくなるのを防ぐため、(ほんとうはよくないんだが)
ヘルメット・シールドを上げて走らざるを得ない。しかし、その状態でうっかり水たまりを踏むと、高圧のドロしぶきがドバドバ目に入ってくる。おかげで、生まれて初めて「眼球がドロまみれになる」という体験ができた。
1日1000円走り放題のレディスデーが設定されていたりして女子にも居心地がいいコースだから、手近な女子にカートの難しさをみっちりわからせ、ガツ~ンと一発いいところを見せたい男子にもおあつらえ向きだ。
ただ万一、連れていった女子がやたら運転がうまくて自分より速いと、逆に赤っ恥をかく。なるべくトロそうな子を厳選しよう。モータースポーツを見たことも聞いたこともないのはもちろん、エンジンとニンジンの区別もつかない女子がよい。幼児期からピアノとソロバンと活け花を習い、小学校でウサギの世話係を押し付けられていたタイプが最適だ。
少女マンガ各誌の情報によれば、そういう内向性女子は、ぴらぴらフリルのスカートをはき、縦巻きロールの金髪に巨大なリボンをつけ、眼球に無数の星を散りばめた異様な姿をしているらしいので、誰でもすぐ見分けがつくはずだ。
しかし、せっかく苦心して女子を確保しても、かんじんのドライバーが、タカハシのよーにしょっちゅうウォールに突き刺さったり、眼球をドロまみれにして、ろくに前に進んでいないようでは恥ずかしい。猛練習により、せめて他人に指をさして笑われたり、後ろから尻を蹴飛ばされないくらいのテクニックは身につけておこう。
カートで女子にいいところをみせ、喝采を浴びるという夢は、脳の発育が中2レベルで停止している大半の日本男児が胸に抱く壮大な野望のひとつだが、その実現には少なくとも数年の地道な努力を要する。
場合によっては、F1レーサーになったり、ハイテク探査ロケットを打ち上げて木星に到達したり、相撲でオリンピックに出るよりも難しいプロジェクトだと知っておこう。野望への道は、はるかに遠く、おそろしく険しいのだ。(泣)

※料金等は2012年5月時点。


流鏑馬(やぶさめ)は平安時代に端を発する騎乗弓術だ。さすがに21世紀の今日では、我が国においても、マジになって鍛錬している武士はめったにいなくなったという噂だが、神事としてはよくやってるから、神社なんかで見た人もいるだろう。
軍用車両などの例外を除けば、バイクは走行中アクセルから右手を離すことができないため、YABUSAMEをするには、左手だけで連射できる銃が必要だ。
10~100ポイントのターゲットを並べたパイロンコースをバイクで走り、射撃による獲得ポイントを競う。フィニッシュラインまでに脱輪・足つきすれば即失格だ。ただし女性エントラントには「足つき3回OK」のハンデが適用される。
セカンド・アタックでは、2010年AFO CROSSチャンプ櫻井"ダーティ・アメリカン・チェリー"伸樹が執念の猛追をみせたが、コースオフで無念の失格。コンペ・リーダー虻川のアタックも予想外の低迷をみせた。
競技終了後、主催者タカハシも試しにこっそりコースを走ってみたが、銃を持ってまっすぐ走るだけでも難しく、とーてー射撃するどころではなかった。
そもそもバイクYABUSAMEは、礼をもって始まり礼をもって終わる日本武道の伝統を引き継ぐ神聖な競技だ。技能の巧拙や勝敗よりも、道徳と礼儀、高潔な人格の涵養を何より重んじている。
願わくば全世界のライダーに、このバイクYABUSAMEの修行を通して、すぐれた操車技術と美しき大和魂、そして何よりもタカハシを敬う正しい心をしっかり身につけてもらいたい。


タイヤバリアを並べ替えてパーテーションを切り替え、AからLまで12パターンのコースが作られている。それぞれ時計・反時計回りができるから、計24種類もの異なるコースが一カ所で楽しめるというわけだ。
このコースを走る一般カートには、GX160エンジンを積んだ標準グレードと、ビレルN35フレームに4サイクル200ccエンジンを積んだ上級グレードがある。タカハシは運よくN35に乗ることができた。
エンジンはヤマハMZ200。カート用としてはややマイナーな機種で、同クラスのスバルEX21などと比べると、動力性能もちょっと控えめだ。
しかし絶対速度は抑えられているものの、中低速でよくねばるエンジンと、タイト・ターンが続くインフィールドとのマッチングはよく、じゅうぶん楽しめる。
カートランド関越の最大の魅力は、多彩なコースパターンで、いつまでも飽きずに走れるところだが、タカハシにとってはそれ以外の意味も大きい。
だいたいカートドライバーというものは、なんであんなにベストラップにこだわるのだろうか。
しかしカートランド関越ならば、どんなクソタイムで走っても、一カ月経ってしまえばコースそのものがこの世から消えてしまい、すべてがチャラになる。「いや~あのコースレイアウトってタイム出ないんだよね」とかなんとか言い逃れしても、もう誰からも批判されなくなるのだ。
走行料金は、3周1000円、10周2000円。スタッフも親切だから、右も左もわからない初心者はもちろん、ものの善悪の区別さえつかないタカハシでも、まったく不安なくカートを楽しめる。

初心者や女性、子供からおじいちゃんまで、誰もがエントリーできる手軽なレースなので、タカハシのよーなヘタレドライバーにも参加するチャンスはある。
それでも44台が出走する大規模なイベントだけに、PWRC(量産車世界ラリー選手権)元チャンプの新井敏弘選手が参戦していたり、キャラクターの着ぐるみ人形や、レース・クイーン、テレビクルーまで出てきて、演出はなかなか華やかだった。コース各所にしっかりオフィシャルが配置され、ウォームアップ・ランにペースカーの先導もついて、進行も本格的だ。
ただし予選はやらない。決勝のスターティング・グリッドはクジ引きで決める。我がF1リゾートKCは、なんと44番グリッドからのスタートだった。
すばらしいといえなくもないが、率直にいえば最悪の結果であった。
スタート直後、オープニング・ラップの第一コーナーで1台のカートが横転。そこへ次々に後続車が突っ込み、多重クラッシュが起きてレースは赤旗中断、ドライバー1名が救急車で運ばれるという不運なアクシデントが発生した。しかし我がチームのエースドライバーは、
巧みにこのアクシデントを回避し、みごとリスタートを決めてくれた。
そのため、速いドライバーのなかに1人だけ遅いドライバーが混じっているチームの常として、リザルトはトップでもドン尻でもなく、28位という、どうにもしまりのないものになってしまった。
もてぎの北ショートコースには、チームを敗北のドロ沼に引きずり込む赤い泥ガッパが棲んでいる。

もてぎが誇る日本初の本格的なオーバルコースでは、2011年までインディカーレースが開催されていて、その名は一般にも広く知られている。
ただ、エスケープゾーンに少しでもタイヤを落とすと派手な砂ぼこりが上がり、路面がダスティになりやすいことと、やたら走行料金が高いのは欠点だ。もっとも、コースを踏み外さなければ砂ぼこりは上がらず、金さえあれば払えない料金でもないから、タカハシのごとくヘタクソ&貧乏なドライバーでなければ、たいした欠点じゃないともいえる。
カートは、ビレルのフレームに4ストローク210ccのスバルEX21を積んだもの。レンタルカート場によくある、ごく標準的なマシンだ。
のんびり前なんか見て悠長に運転してると、コーナーにさしかかるたび、目を血走らせた連中が、背後からガンガンぶつけまくってくるから、四六時中、後ろばかり見て走らなくちゃならないほどだ。
とはいえ、スピード自慢の他のチームメイトたちに比べれば、ふだんから「サーキットのミドリガメ」の異名をとり、他人に抜かれ慣れているタカハシには、わりあい走りやすい状況だったともいえる。
レーシング・ドライバーたるもの、前を見て走り、前のクルマを抜くことにばかり執着していてはいけない。それよりも、後ろを見て走り、後ろのクルマにうまく抜かれるテクニックを習得すべきである。

なので入口付近はどことなく工事現場っぽい雰囲気だが、施設内に入ると、一転してすみずみまでピカピカに美しい。トラックやグリーンはもちろんのこと、施設全体がよく整備されていて、居心地は抜群だ。
なかでも138メートルのメインストレッチから飛び込むターン1からターン3までの3連右ターンは、このコースの白眉。テクニカルとハイスピードの性格を併せ持つ変則ターンで、このセクションを大胆に、かつロスなく走れるかどうかがラップタイムに大きく響く。初めての人ならだいたい40秒台、うまい人なら34秒台のラップタイムをめざすといいそうだ。
カートのパフォーマンスとトラックのマッチングも絶妙だ。
もっとも、どこもかしこも徐行運転のタコドライバー タカハシには、死ぬまで手の届かない夢のマシンにすぎないが。
さらに強化されたトルクにタイヤが負けはじめるから、ドライ路面でも、踏めばそれなりのスライドコントロールが必要だ(←ろうと空想)。
コースの管理人さんは、にこやかで親切。そして日々の営業努力を欠かさない。その甲斐あって、カートも設備も料金も、非の打ちどころがない。休日なんぞ、お客さんが詰めかけてさぞ混雑するだろうと思ったら、じつはそうでもないんだそうだ。
理由をたずねると、管理人さんは「富山の人、なんだかあんまりカート乗ってくれない……」と、悲しげに肩を落とした。
タカハシが4回もカートに乗ると、たちまちヘタレな体力を使い果たし、カスみたいなラップタイムに心も折れて、身も心もボロボロになる。

しかし今ではオフロードバイクに乗って国内を走ってるんだから、タカハシもオフロード用をかぶればいいと思うかもしれない。でも、あのタイプのヘルメットの意味が、いまひとつよくわからない。多くのライダーは、じつは何も考えず、ただのファッションで無意味にかぶってるだけじゃないかと疑っているほどだ。

レーシングカートは、フレームやエンジン、タイヤなどのマテリアルを自由に組み替えて好きなマシンが作れるのが大きな特徴だ。もちろんレースでは、レギュレーションで厳しく規制されるが、ただコース走行を楽しむだけなら、どんなフレームにどんなエンジンを積み、どんなタイヤを履こうが、まったく自由だ。
Uさんのカートは、水冷2サイクル125ccのボルテックスROKエンジンを積み、ハイグリップタイヤを履いて、新式のリアスポイラーを付けている。どのカテゴリのレースにも適合しないが、いかにもホビーカーターらしく、趣味に走ったスタイルだといえる。
ふつうカートのブレーキはリアに1個あるだけで、フロントブレーキは無い。しかし最近になって、上級カテゴリにはフロントブレーキが採用されはじめた。
わずかな入力で強烈な効きが得られるバイクのフロントブレーキに比べると、カートのフロントは、思い切ってガツンと深めにかけないと制動力が出ないし、さほど繊細なコントロールもできない。でもその反面、フロントロックで瞬時に転倒するとゆー危険も皆無なので、限界ギリギリのハードブレーキングでも気楽にバンバンいける。
ただ、カートのフロントブレーキはどこでも使えるわけではない。たとえば旋回中にフロント制動すると、みょーにステアリングがヨレて、やたらキモチ悪いアンダーが出る。
Uさんのカートは素晴らしかったが、残念ながらこの日はドライバーがタコだったため、おもしろいように他のカートにガンガン抜かれまくった。それでも圧倒的なストッピング・パワーのおかげで、ブレーキ勝負では誰にも負けなかったんだから素晴らしい。
やっとのことで日々を食いつないでいる哀れな三流貧乏イラストレーターなど、ドライバーの経済状態によっては破産必至のウルトラ高価格である。
昨年、書きそこねた記事を今頃になって書く。もう半年くらい前のことだから、完全にフレッシュさが失われ、話もややカビくさくなっているが、まあ大目にみてほしい。
黒い系バイク小説家、電池でうごく世界一周ライダー、天才ツーリングカメラマンといったバイクツーリング業界の至宝たちが、意味もなくぞくぞくと集結。併せて、AFOライダー界では周知のモータースポーツイベントとなりつつあるAFO CROSSが華々しく開催された。
開催年ごとに競技内容が大幅に変わるAFO CROSSだが、2010年は「バイク・シューティング」によって争われた。バイクで走りながら「バレット」と呼ばれる各種の弾を大小のバケットに投げ込んでスコアを争うレースである。
バケットはコース内外の地上・樹上など数カ所に配置され、難易度によって10ptから100ptまでのスコアがついている。エントラントはスタートから2分間、肩掛けバッグに入れたさまざまなタイプのバレットをバケットに投げ入れてスコアを争うが、足付きやパイロンタッチ、コースアウトがあると失格だ(ただし女性エントラントには、足付き3回許可のハンデが与えられている)。
スタート後2分が経過すると、競技長によるホイッスルが鳴る。その後30秒以内に空気銃による射撃をおこなえばセッション終了だ。
ホイッスル後でも、射撃完了までに足つきしたり、射撃までに30秒以上かかったら失格。しかしこの射撃をみごと指定のターゲットに的中させれば、ポイント2倍のボーナスがつく。
櫻井"ダーティ・アメリカン・チェリー"伸樹が100ptのハイスコア・バケットへの連投と射撃をも成功させ、2240ptという超人的大記録を打ち立てて、結局これがウイニング・スコアとなった。
タカハシも参戦にやぶさかではなかったんだが、ついうっかりしていて、ふと気づくとすでに競技が終っていた。


このコースでは、現在4ストローク170ccクラスを標準エンジンとして使っている。標準カートで規定タイムをクリアし、適格と認められた人だけが乗れる上級カートとしてKX21をレンタルする予定だそうだ。
ピカピカのニューエンジンは、今のところまだポン付けしただけで、マフラーなどは暫定的な装備。ギアも高めのままなので、現時点ではエンジンのポテンシャルが出し切れておらず、マックスの約70~80%のパワーといったところだろう。タイヤもとりあえずふつーのレンタルカート用をそのまま履かせてある。
KX21はスロットルレスポンスの良さが際立つエンジンだ。ピークパワーはともかく、中低速域からのピックアップはKT100などの2ストロークエンジンにもけっしてひけをとらない。
今はまだギアが合ってなくてパワーが出し切れてないから、タカハシのよーなヘタクソが乗っても危なくないが、それでも標準エンジンより3秒ほど速く走れた。今後パフォーマンスが全開になれば、タカハシレベルのタコドライバーだと、どこかにすっ飛んでいってしまうおそれもある。

全長952/930メートル、時計まわりのワイドなコースは、スリップストリームを使った高速バトルが楽しめる170メートルのロングストレートをもつ反面、インフィールドはかなりテクニカルな低速セクションになっていて、バラエティ豊かなコーナーワークが味わえる。時期によってコースレイアウトが変わり、高速系のハイスピードコースと、低速系のテクニカルコースが設定されるのも特徴のひとつだ。
レーシングカート主体のコースだが、誰でも乗れる手軽なレンタルカートも用意されている。7分間2000円、11分間3000円、15分間4000円の各コースがあり、ヘルメットやグローブの無料レンタルもあるから、手ぶらで行ってもすぐ走れる。
カートにかぎらず多くの四輪車は、ステアリングを切るとフロントの抵抗が大きくなり、半自動的に少しだけ減速する。だから全開ではちょっと無理めなコーナーでは、コーナリングの前半でわざとステアリングをやや強めに使い、その効果だけで必要な減速を済ませてしまうこともある。
貧窮ドライバータカハシも、たまの旅先のレジャーだからと、ここぞとばかり15分4000円の高額コースをド~ンと張り込んでコースイン。この時期は、根性要らずのテクニカルコースレイアウトだから、臆病者のタカハシがドド~ンと好タイムを叩き出すにはピッタリのタイミングなのだ。
初めて走る人なら1分05秒前後を目標にするとよい。経験者なら1分を切るくらいが目安だそうだ。もし58秒台に入れられれば、けっこう速いほうで、運よく58秒台をマークできると、ラップシートに管理人さんがハナマルを書いて讃えてくれるスペシャルサービスもある。

ほとんどのスポーツ派ドライバーにとって、カローラは営業マンや主婦が乗る、何から何までどーでもいい安物の車として認識されているのではなかろうか。僕もそう思っていた。
エンジンは、ドライブレンジだけだと、さすがにトルクが細くて頼りないが、オーバードライブをカットしてLレンジやセカンドレンジできっちり回せば、それなりにパワー感があり、ささやかなスポーツフィーリングが味わえる。どこもかしこも横を向いてドリドリしないと気が済まない変態ドライバーじゃなければ、これだけ走れば充分だろう。
ここのゴーカートは、流線形のフォルムが美しい2人乗り。謎の4ストローク単気筒エンジンを搭載し、3歳児でも乗車可能という、すぐれたドライバビリティを誇るマシンである。
マックス付近でいちいち機械式リミッターがかかってるっぽい、あぅんあぅん悲しげなエンジン音を聞いていると、いっそアクセルワイヤーをつかんで手で引っ張れば、倍ほどスピードが出せるよーな気もするが、まさか実際に試して暴走させるワケにもゆかず、我慢して最後までノロノロ走り抜いた。
刈谷ハイウェイオアシスでは、誰もが激安で簡単にゴーカートの愉悦を手に入れられる。むろん子供が楽しむのも悪くないが、運転に疲れたドライバーにこそ乗ってほしい一台だ。長時間の高速走行に疲れた心身も、ギンギンの低速走行で瞬時にスカッとリフレッシュすることウケアイだ。

が、記念すべき初の東日本開催にも関わらず、タカハシの不人望がたたってエントラントはわずか4名。「SWGP公式記録の認定には5名以上のエントラントが必要」という規定が満たされず、SWGP格式での開催は見送られたが、SWGPアンオフィシャル格式でごくフツーに開催されてしまい、SWGPっていったい何? という、しごくもっともな疑問だけが残るレースとなった。
レースは、走行セッション後にプリントアウトされるラップタイムで勝敗を争うタイムアタック形式。規定時間内なら、エントラントの筋力&財力が許すかぎり何度でも自由にアタックすることが許される。今回はなんとJAFの全面協力のもとコース走行料が半額化され、10周1000円の激安料金になったとあって、各エントラントは心おきなくアタックに専念することができた。
スタート直後、優勝候補最右翼のA.Absintheが、まずは34.196秒のターゲットタイムをたたき出したが、たちまちGO.Tanacaが32.940秒を、Yoshiee.Mが32.886秒をそれぞれマークし、レディスドライバーたちが果敢にトップを追う展開となった。
血で血を洗うバトルの末、コンペティションリーダーのA.Absintheがまずは走行を終了。いよいよ運命のチャレンジャーY.Negichuが夕暮れのコースに飛び出し、報道陣のカメラの砲列が見つめるなか、渾身のラストアタックに臨んだ。
日没を迎えて急激に路面温度が下がり、グリップが低下したため、Y.Negichuのマシンは最もスピードの乗るファイナルコーナーをわずかにオーバーラン。
グランドスタンドを埋め尽くす大観衆の悲鳴のなか、タイヤバリアに激しくヒットし、スピンしながらウォールを突き破ってピットロードにまで飛び込む過激な大クラッシュとなってしまった。
しかし追撃むなしくタイムは及ばず、Y.Negichuは2番手でフィニッシュ。30.536秒のベストラップをもって、A.AbsintheがSWGP東日本シリーズ初代ウィナーの栄冠に輝いた。副賞の大型ラジコンカーを手に、ポディウムで感涙にむせぶチャンプ(でも非公式)の姿が印象に残るグランプリであった。
ちなみに主催者タカハシは、今回もレースに出場しなかった。いや、ちょっとは走ったが、本気は出さなかった。初心者の指導と称してわざとゆっくりコースを走ってみせるなど、ちょいちょい「今日は本気じゃないですよ感」をアピールしまくる作戦により、レースへの参戦を回避。敗北の危機からみごと脱出することに成功したのだ。

当時は多くのライダーで賑わっていたレースコースも、今では周囲に人影さえなく、草ボーボーの荒地と化している。しかも、今になって見るとやたら狭くて小さい。せいぜい原チャリクラスのミニバイクで走るのがギリギリみたいな、なんとなくポンコツくさいコースだ。
さて、いくら役立たずのタカハシといえども、みんなの楽しいツーリングに割り込ませてもらっといて何もしないとゆーワケにはゆかない。不肖のビデオ係をつとめることになった。
走行後には、参加したライダーの一人が専用ヘルメットカメラで撮影した、素晴らしいムービーデータをタカハシに渡してくれた。せっかくだからムービーの編集素材として使ってくれという嬉しい提案だったから、大喜びで持ち帰ったのだが、帰宅してデータを開くと、パソコンが古すぎてパフォーマンスが足りず、編集ソフトがまったく動かなかった。

ATV(オール・テレイン・ビークル=全地形対応車)とも呼ばれる四輪バギーは、その名のとおり、砂地や泥地、雪道といった悪路を走るために作られたクルマだ。たいていオフロード用の大型バルーンタイヤを履き、バイクっぽいバーハンドルが付いている。ただしスロットルは、バイクのような回転グリップ式じゃなく、レバー式がほとんどだ。
車幅のわりに重心が高く、フルコーナリング時には、ライダーがイン側に荷重しないと簡単に横転してしまうのも特徴だ。転倒を防ぐため、ライダーがボディアクションを駆使して走るという点ではバイクに似ているともいえる。
また、曲がるときにハンドルを切るのを忘れてはいけない。左右への荷重移動で半自動的にコーナリングが始まるバイクとは違い、ATVはライダーがハンドルを切らないと曲がらない。四輪ドライバーはまさかと思うかもしれないが、うっかりハンドルを切り忘れてコーナーに突っ込み、そのまま真っ直ぐコースを飛び出す哀しいライダーが後を絶たないのだ。
ゆっくり走れば安全なATVだが、フロント荷重のままステアリングをこじったり、アクセルを開けながら不用意にステアリングを切ると、とんでもない方向にすっ飛んでいくことがある。ファニーな見た目に似合わず、操縦性は意外と凶悪なのだ。
那須バギーパークでは、1周800円(大人用・125cc)払えば、ライセンス不要で誰でも即バギーライダーになれる。トラックは1周約600メートル、全面ダートだが、すみずみまで手入れが行き届いて美しい。適度なアップダウンとギャップがあり、ダウンヒルではそれなりのスピード感も楽しめる。


でも、必ずしも豪華なトランスポーターがなければいけないワケじゃなく、カートを運べさえすれば、クルマはなんでもOKだ。サイドポンツーンやタイヤといったパーツをはずせばカートはずいぶん小さくなって、軽ワゴンにも載せられるし、ちょっと頑張ればスキーキャリアで乗用車のルーフに載せて運ぶことだってできる。
タカハシは、ごく標準的な国産ワゴン車をトランポに使っている。せっかくだから積載状態の写真を見てもらおう。ラゲッジには木製レールなんか付いていて、いかにもトランポらしくみえるかもしれないが、実際にはこんな装置は使ったことがない。


2010年代の今なら、たとえ10年前のクルマでも、「ちょっと古い中古車」としてじゅうぶん実用に耐える性能があるが、80年代の「10年前のクルマ」といえば、まだまだ自動車技術のレベルが低かった70年代のマシンだから、ほとんどスクラップ同然のシロモノだった。
もともと腐ったポンコツなんだから、あともうちょっとよけいに壊れたってべつに構やしないだろうと独自の判断をくだし、手近なダートに乗り入れて走らせてみたが、パワーはないしステアリングはダルダルだしサスは腰砕けだしで、曲がるたびにフロアをガリガリ地べたにこすってばかりで、ちっとも前に進まない。
これはマジつまんないカス車だね、二束三文の無価値な鉄クズだよと、ウルトラ的確&スーパー丁寧なインプレッションコメントを添えて友人にクルマを返却したところ、なぜか彼は憤然として運転席に乗り込み、バタンと勢いよくドアをしめると、何度か軽くエンストしつつもエンジンを吹かし、ガリガリとギア鳴りの音だけを残して、またたく間に立ち去ってしまった。

スバル製の汎用4サイクルエンジン EX170を搭載したカートは、いちおうビレル製を名乗っているが、外装はけっこーボロボロだ。しかし整備はしっかりしていて、カートの性能に極端なバラつきはない。もっとも全部乗ったわけじゃないから、たまたまアタリがよかっただけかもしれないが。
アンダーパワーのカートだと、低速コーナーからの脱出加速がダルくて退屈することが多いが、F1リゾート秩父には極端にタイトなコーナーや、カートの能力を超える高速コーナーがなく、適度なコーナーをバランスよくつないだレイアウトになっているため、カート界最弱ともいわれるヘタレな4サイクルエンジンでも、それなりのGフォースとスピード感が楽しめる。
タイムを削るには、できるだけインデッドに攻めつつも、なるべくスピードを殺さず滑らかにターンしなくちゃならないが、カートにパワーがないだけに、いったん失速すると回復は難しい。そのへんにデリケートな操作が求められるから、熟練のレーシングカーターでも、けっこう真剣に試行錯誤のプロセスを楽しめるだろう。
基準ラップタイムは34秒台とされているが、かなり甘めの設定だ。マジビギナーやタカハシのよーなタコドライバーでなければ、誰でもすぐクリアできるだろう。常連ドライバーなら28秒台で走れるそうだ。
さてF1リゾート秩父の最大の特色は、カートとかコースとかよりも、スタッフの対応がよくて親切・丁寧なことに尽きる。
このコースには、ファミリーやカップルで賑やかに遊びに出かけるといいだろう。コテージでの宿泊や観光などのレヂャ~をメインに楽しみ、カートにはあくまでシャレで乗るのがコツだ。「うわー、パパすご~い」とか「いやーんステキ!」とか黄色い声援を送られつつ、リッチな大人のリゾートライフを楽しむのが理想のスタイルだといえよう。
まちがっても、歳だけはくったものの精神面でぜんぜん大人になれず、幼稚さ丸出しで必死のタイムアタックを執拗に繰り返したあげく、ラップタイムにガックリ肩を落とし、めそめそとすすり泣く孤独&不気味な貧乏イラストレーターにだけは成り下がりたくないものである。
さて、こういうツーリングのスチル写真はたいていプロカメラマンが撮ってくれるんだが、今回はあいにくビデオ担当がいなかったため、急遽タカハシが撮影を拝命することになった。

だが1980年代には、まだピーキーなエンジンが巷にゴロゴロしていた。市販のストリートバイクにさえ、殺人的にピーキーなマシンがあったくらいだから、レーシングバイクではなおさらのことだ。
この写真を撮ったのは、直後に4時間耐久レースを控えて練習走行をしているときだった。

たいていのレンタル用カートは、初心者ドライバーのために、速さを多少犠牲にしてでも、なるべく乗りやすく、壊れにくいように組まれているものだ。今回乗ったカートにも、いろいろ変更されている点があった。
搭載されたYAMAHA KT100SCは、入門用エンジンの定番、KT100の湿式クラッチ版。クラッチなしのKT100SDや乾式クラッチのKT100SECに較べると加速が鈍く、アクセルでの姿勢制御もちょっとやりづらいが、逆にいえば、それだけマイルドで安定性が高いということだ。不慣れな初心者や、タカハシのようなタコドライバーには、むしろ乗りやすいエンジンなのだ。
ただ、こういったレンタルカートの仕様は、ショップとの交渉次第で融通がきくのがふつうだ。
また上級者だけに限らず、ドライバーのレベルや要望に合わせて、それなりにカートをアレンジしてくれる親切なショップもある。
が、勇んでコースインしてみると、久々にカートの強烈な横Gを受けて、わずか数十周の走行で首がペロンペロンに折れ、たちまちまともに走れなくなった。

が、そこに電動ポケバイの専用コースはない。走行時刻になると、通常はローラースケート用として使っているオーバルトラックを開放し、5周だけポケバイで走らせてくれるシステムだ。
ライダーは、ローラースケート用っぽいヘルメットをかぶらされ、ちゃんちゃんこっぽいゼッケンを着せられ、なんとなく罰ゲームっぽい姿にさせられる。
ろくすっぽパワーはないが、全開にすれば、とりあえず軽い駆け足くらいのスピードが出る。ただ、コースの曲率に対してはやはり遅すぎる。これでは、ふつうに走るとつまらないというライダーもいるだろう。
スポッチャの利用料金は店舗によって微妙に違うが、だいたい3時間で1500円~2000円程度。最初にそれだけ払えば、時間内は全アトラクション遊び放題で、ポケバイにも追加料金なしで乗れる。

バイク雑誌で活躍するカメラマンの関野温さんに、ふだん撮影の足として使っている愛車を貸してもらうことにした。
8インチの小径ホイールと短いサスストローク、90センチにも満たない軸距のため、モンキーバハの操縦性はきわめてクイックで、見た目以上にスポーティだ。
その反面、フラット路面では驚異の旋回能力を発揮し、意外にもタフなコーナリングマシンの一面をみせる。
超小型ボディながら、大胆なアップハンドルが効を奏してポジションはそれほど窮屈ではない。前後の荷重移動もまあまあナチュラルにできるので、途中にギャップさえなければ、かなりの激坂でもスルスル登る。
ところでタカハシは、今回の試乗中、なんと一度も転倒しなかった。
関野カメラマンは、誤解と偏見にもとづき、過度にタカハシの転倒を恐れ、不当に試乗の許可を渋ったことを海よりも深く恥じ、ざんげの涙に泣きくれてもらいたいものだ。
いや、だから今回はね、まあだいたいそーゆー感じでいきませんかね、関野さん。お互いカタいことは云いっこなしっつーことで。

タカハシの場合、初心者の頃はとくにチェーンがブチブチ切れまくった。これにはどうも2つの原因があったようだ。
今年も関東某所で、タカハシ主催の恒例・AFOライダーキャンプがひそかに開催された。
全長約10メートルのコースを、2度のアタックで最も遅く走ったライダーが勝者となるが、ただ遅く走ればよいというわけではない。各エントラントには、アタック直前のくじ引きによって、規定のハンデが課されることになっている(注・女性エントラントはノーハンデ)。
ハンデは、パーティー帽子(頭から落としたら失格)、馬のお面(前が見えず内部がゴム臭い)、片目メガネ(視界が片側のスリットのみに制限される)、ビン底メガネ(視界が極度に歪む)、ダンベル(両手首に1キロのダンベルを吊り下げる)、おたま(口にくわえるが、乗せたボールを落とすと失格)、穴あきメガネ(視界がまだらになる)の7種類。
だが、たとえばパーティ帽子だと、たとえ国際A級のMXライダーといえども容易に完走できないほどヘヴィなハンデだが、穴あきメガネだと、「小さな穴から勝利が見える」ともいわれるライトなハンデといったぐあいに、その軽重に、きわめて大きな差がある。いわばライディングテクニックよりも、ハンデ選びの運が勝敗に大きく影響するだけに、各エントラントは目を血走らせて異常に真剣にくじ引きに臨んでいた。
まずはAFO-CROSS初参戦ながら優勝候補最右翼と目されていた寺崎"さすらいの野宿ライダー"勉がファーストアタッカーとして登場。しかし、いきなりメンタル的に最もハードルが高い馬のお面を引き当てて失速する大番狂わせを演じ、レースは序盤から予測不能の大混戦に陥った。
その後の血で血を洗う熱戦の結果、あぶ"バイクコンストラクター"absintheが、おたまのハンデをものともせず32.78秒をマークして優勝をゲット。続いて、ダンベルのハンデを利して、河合"ヒゲキング"宏介が29.31秒でこれに続き、さらに野岸"ねぎ"泰之が23.50秒で3位に食い込んで悲願の表彰台を獲得した。
栄光のポディウムに立った3名は、AFO-CROSS伝統のラムネファイトを堪能。勝利の糖分で全身をベタベタに汚染しつつも、華やかに今年の競技を締めくくった。
ところでタカハシは、このレースに参加させられるのを恐れ、競技中ひたすら身を縮めて逃げ隠れしていたのだが、「一度くらいオマエも乗れ」と強要されたため、やむなくしぶしぶ乗車。なんとか走り出したのはよかったが、わずか2メートルで瞬時に足着き失格となり、満座の嘲笑を買うとともに、その場で最下位確定の憂き目をみた。

ところでライダーなら誰でも経験があるように、タカハシも青年時代、簡易裁判所に呼び出されて裁判を受けたことがある。
そのときタカハシが裁判所まで乗っていったのも、このポップギャルだった。が、あいにくちょっと寝坊して遅刻しそうになったため、なんとなく調子が悪いなと思いつつもエンジンに必死でアクセルのムチを入れ、赤信号や一時停止といった交通規制にも独自の柔軟な解釈をくわえつつ、全開につぐ全開の力走で裁判所をめざした。
その甲斐あって、かろうじて裁判には間に合い、とどこおりなく国庫に金を納めることもでき、どうにか誇り高き日本国民としてのメンツも保てた。
その後ポップギャルは、走るチャンスもナンバープレートも顧みる人もないまま下宿の軒先に長年放置され、いろんなパーツを次々に盗まれていくうち、徐々に縮小・酸化・崩壊し、やがて跡形もなく消滅して自然界にかえった。

トラックは全長900メートル、反時計回り。130メートルのホームストレートエンドから飛び込む高速コーナーと、曲率に工夫をこらしたいくつものタイトコーナーが絶妙のバランスでレイアウトされているから、マトモなカートに乗っているマトモなカートドライバーなら、思うぞんぶん白熱のバトルを楽しめるだろう。
ただ、ここまで本格的なレーシングカートコースだと、逆にレンタルカートに関しては、いささかオマケっぽい扱いとなるのもやむを得ない。
ただ、このカートのシートがやたら遠くて「人間ダックスフント」の異名をとる短足人類タカハシでは、悲しいかなペダルに足が届かなかった。
それはいいが、榛名のコースでは、GX160は絶望的に非力だ。いったん走り出すと、あとはほとんどずっとベタ踏みの全開。減速のためにブレーキを使う必要はまったくない。
F1への道は、甲子園への道よりもはるかに遠い。榛名をちょっと走っただけでF1の夢をスッパリ断たれたタカハシは、がっくりと肩を落とし、背中を震わせてむせび泣きながら、せめて走行の思い出にと、路面に散らばっていたタイヤのチビリカスをかき集め、ビニール袋に詰めて持ち帰ることにした。

タカハシは、友人からこの中古のハスラー80を3000円のウルトラ激安大特価で譲り受けた。要するに売り手にとっても、まあどうでもいいバイクだったのだろう。
しかし困ったことに、バイクというものは、活用すればするほど壊れる宿命を背負っている。うまいライダーならまだしも、バカスカこけまくるタコライダーが乗ると、ますますよく壊れる。
このような粘着テープによるバイク修理術のメリットは、どんな故障でも「すぐ直る」「安く直る」という点だ。テープ1巻きあれば、たいていの故障は超低コストでたちどころに直せる。まさに驚愕のハイコストパフォーマンスだから、バイク修理費の支払いに苦しめられている貧窮ライダー諸君は、ぜひ試してみるといいだろう。
ただデメリットもある。せっかく直しても、わずかに振動を与えると、すぐにテープがはがれて再び故障してしまう点だ。家を出たときには、それなりにバイクっぽい形をしていたマシンが、ちょっとダートに踏み込んだとたん、あたり一面に部品を撒き散らし、たちまちあやしい鉄屑に変貌してしまうことも、けっして珍しくはなかった。
この写真は1986年ごろ撮ったもの。空き地でハスラー80を走らせているところだ。写真でも、すでにヘッドライトがだいぶプランプランになっているが、この日はほかにもリアフェンダーやサイドカバーなどの大型部品がボロボロ脱落しまくった。

コースは全長720メートルの時計回りで、ごく短いメーンストレッチ以外には直線部分がなく、やたら旋回ばかりが続く特殊なレイアウト。だから走行中は、えんえんとステアリングを切って右へ左へ曲がり続けることになる。アンダーパワーのスポーツカートなので横Gはそんなでもないが、重いステアリングを切り続けるせいで、腕と指がめちゃくちゃ疲れるのが特徴だ。
クイック羽生には、9000円で乗り放題のフリーパスが用意されている。まさに破格の激安大特価料金だが、どっちかというと中・上級者向きのサービスで、初心者にはあまり薦められない。強い保蛇力が必要なクイック羽生のコースでは、慣れないドライバーだと握力が続かず、そんなに長くは走れない。払い損になるともったいないから、最初は2000円で10分走れる標準的なチケットから試したほうがいいだろう。
レンタルカートコースには、タイムのプリントアウトサービスがあるのが普通だが、クイック羽生にはない。多くのレンタルカートコースで採用されている赤外線式計測システム(コース側でタイムを測定する)ではなく、磁力式計測システム(カート側でタイムを測定する)を使っているためだ。
係員によると、初めてカートに乗った人だと、だいたい50秒を切れば、まずまずのラップタイムだという。常連ドライバーには46秒台で走る人が多いらしい。
ところでクイック羽生には、カートコースには珍しく、管理棟内にゲームコーナーがある。かわいいカピバラのぬいぐるみが釣れるUFOキャッチャーが置いてある点は絶賛に値するが、その隣にカーレースゲームがあるのは、いかがなものか。わざわざカートコースでカーレースゲームをする奴がいるんだろうか……。

それは高価なオフロードバイクを買えない貧民のやっかみではあったが、たしかに当時の4サイクル250ccはデカくて重く、運動性もちょっとダルで、全体にどよーんと鈍重だったことは否めない。悪意に満ちたタカハシ青年にも、まあ一分の理くらいはあったのだ。
1995年に発売されて以来、改良を重ねつつ販売されてきたホンダXR250は、低速域からしっかり粘り、スルスルと滑らかに吹け上がる空冷4サイクルOHC4バルブ単気筒249ccエンジンを搭載。28psのパワーと軽快な操縦性が相まって、よく走り、扱いやすいバイクに仕上がっている。
走りのパフォーマンスと乗りやすさ、快適性を兼ね備えたXR250は、林道ツーリングもモトクロスも街乗りも高速走行も文句なくこなせる真のマルチパーパスバイクだ。正常進化の王道を歩み続けてついに完成した、日本の正しいオフロードバイクの究極形ともいえるだろう。
それはまあいいが、右のハンドルあたりにくっついていた、なんだかよくわからないけどけっこう高そうなヤバい系の部品がバラバラに砕け散ってしまったため、賢者タカハシは瞬時に走行を中止。ただちにオーナーにバイクを返却し、すみやかに、かつ礼儀ただしく別れの挨拶をして全速力で帰宅した。
弓道を極めた達人は、その極意を「矢は意識して放つものではなく、ただ自然に離れてゆくものだ」と述べている。矢を射るとき、そこにはなんの作為も理由も存在しない。達人の手にかかれば、矢は、いついかなるときも、ただ自然にスパッと手元を離れてゆくのである。
主催者タカハシが金に困っていたり貧乏していたり生活苦に陥ったりしていたため2008年の開催が見送られたレンタルカートレースSWGP(スモールワールドグランプリ世界選手権大会)だが、2009年は東西両地域でシリーズ戦が開かれる見通しが立った。
しかも猪名川のレンタルカートは、そこらによくあるトロいスポーツカートとはモノが違う。老朽化によって徹底的にナチュラル・デチューンされ、死ぬほどアンダーステアにセッティングされてはいるが、とりあえずKT100やPRDといった「本気と書いてマジと読む」バリバリのレーシングエンジンを搭載したモノホンのレーシングカートなのだ。
難コース+高性能カートとくれば、それだけでもエントラントのボルテージは上がる。しかも今回からは「カート所有者は賞典外」という参加制限が撤廃されたため、SWGPに君臨する歴代チャンプに対し、腕自慢のレーシングカーターが真っ向勝負を挑む、いっそうエキサイティングなグランプリとなった。
レースはタイムアタック形式。12名のエントラントは、同時に4台ずつコースインしてアタックをおこない、ベストラップによって順位を争った。
なかでもSWGP2007チャンプY.Osyohは、モタードレース経験に裏打ちされたシュアな走りで53.96秒とT.Tomyのレコードに肉薄、堂々の2位につけた。いっぽう活躍が期待されたSWGP2006チャンプT.Nonochiは不調にあえぎ、タイムも1分03.37秒にとどまった。その隙に乗じて人間型バイクロボH.Athyupiroが57.72秒の好タイムで3位に食い込み、結局この3名がポディウムに立った。
3位のH.Athyupiroから、わずか0.2秒のビハインドで涙をのんだモタードライダーM.Toruはじめ、惜しくも表彰台に手が届かなかった他のエントラントたちも、それぞれ白熱のレースを繰り広げていたが、とりわけレディス部門の熱戦は特筆に価する。
なお副賞として、ウィナーのT.Tomyには日産フェアレディZ(でも全長約10センチ)が、2位のY.Oshyohには三菱パジェロ・エボリューション(でも全長約5センチ)が、3位のH.Athyupiroには自衛隊軽装甲機動車・イラク人道復興支援仕様(でも全長約10センチ)が、レディス部門優勝のK.Picowには三菱ランサーエボリューションIX(でも全長約10センチ)が贈られ、感動と喝采のうちにレースは無事閉幕した。
真の冒険家は無意味な蛮勇を嫌う。真の武道家は無益な流血を嫌う。古くから「君子危うきに近寄らず」という金言もある。ヤバいと思ったら戦いを避けることも、また戦術なのだ。

タカハシはつねづね「貧乏ヘタレドライバー」を自称しているが、たまにそれを疑う人があって「貧乏とかヘタレとかいってるけど、じつはそんなでもないんでしょ」などといわれることがある。
しかしタカハシだけは違う。記事には、あまりにも貧乏なため、まともなカートやエンジンを買えず、激安中古品でなんとか間に合わせ、ゴミ同然の中古タイヤを拾い集めて暮らす惨めな日々が活写されている。いわばタカハシだけは、ほんとうに困窮にあえぐ「リアル貧乏人」なのである。(トホホホホホホ……)
RZシリーズ最大の特長は、ピーキーな2サイクルエンジンと軽量ボディが生み出すアグレッシブな運動性だ。シリーズ末弟にあたるRZ50は、ホンダMBX50やスズキ RG50ガンマと並んで、当時としては先鋭的な水冷2サイクル単気筒エンジンを搭載したボーイズレーサーで、1980年の発売当初から金欠少年ライダーの人気を集めていた。
が、もとが原チャリだから、いくら頑張ったってたいした性能じゃなく、最高出力もせいぜい7.2psどまり。それに、いくら水冷といっても小排気量の2サイクル車だから、峠で本気になってガンガン回せば、たちまち熱ダレしてプスンと止まってしまう、ちょっと虚弱なバイクでもあった。
だがある日、走行中に突然サイレンサーがはずれてどこかに吹っ飛び、猛烈にファンキー&ヤンキッシュな爆音を撒き散らすバイクに変貌してしまった。でも修理するのは面倒くさいし、なにより金がかかる。そこでバイクのことをまったく知らない友人に「ちょうどいま全開バリバリの改造バイクがあるから買わないか。いい音するよ」といって売りつけてしまった。
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