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March 2010

2010.03.20

ギャラリーノート -SPACE YUI-

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いつも個展を開いている南青山のギャラリー、スペースユイのオーナー木村秀代さんの著書『ギャラリーノート』。
ギャラリーの長い歴史のなかで、彼女が関わってきた多くのアーティストとの思い出を書きとめた本だ。開廊30周年を記念して、このたび三月書房から上梓された。

10032002先日、僕も出版記念パーティに客の1人として招かれて、御茶ノ水にある山の上ホテルへ、宴の末席を汚しに出かけてきた。
いちおう用心はしていたが、まるで貧乏人を真正面から威嚇するかのようなハイソっぽいホテルの雰囲気に、やはりポッキリ心を折られた。おまけにギャラリーゆかりの人たちには、そーそーたる高名な作家や、気鋭の新人アーティストがずらりと顔を揃えている。僕のよーなハンパ者の居場所はなく、ただちにシッポを巻いてコソコソ退散するはめになった。

僕がこんな分不相応なパーティに呼ばれたのは、200ページにおよぶ『ギャラリーノート』の貴重な1ページを割いて、文中で作品に触れてもらった縁があってのことだ。
本の中では、僕がいつも刈りたての麦ワラを頭にくっつけて短パン&サンダル姿で現れるため、いちじるしく南青山の風紀を乱していることや、表参道で山猿と誤認され、過去3度も射殺された経験があることなどが、輝かしいギャラリー30年の歴史に残された、たったひとつの汚点として克明に描写されている。(かもしれない)

10032003版元の三月書房は、クロウト好みのシブい本をつくる、ちょっとマニアックな出版社だ。
この本のデザインも、一見なんの変哲もないようでいて、じつは昨今すっかり珍しくなった活版印刷のカバーを用い、その下に金箔押しのリッチな表紙を隠して、いかにも職人くさい造本でかっちり作り込まれている。昔ながらの本好きには、とりわけ喜ばれるデザインだ。

定価3000円。激安情報が溢れる現代では、情報料としてみれば高価だが、書籍型の美術品としてみれば安価である。
なお僕の記事が載っているページだけは、例外的に切り取ってチリ紙として使っても差し支えないことになっている。読んで楽しく、見て美しく、鼻もかめる。隅から隅まで無駄なく使えるナイスな一冊だから、ぜひ買おう。

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2010.03.10

紙キャンディ

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ただしい商品名は「サワーペーパーキャンディ」という。パッケージは全長25センチ、幅3センチ。紙のように薄いソフトキャンディだ。

コーラの絵が描いてあるが、コーラ味とは明記されていない。
「コーラ」の後に極度に小さい字で「風」をつけて「べつにコーラ味とはいっていない」と言い逃れるのが常套手段となっている駄菓子業界だが、このパッケージは「ただコーラの絵が描いてあるだけで、べつにコーラ味だとは云っていない」と主張する新しい手法を見出した。駄菓子パケのニュージェネレーションともいえる。

封を切ってずるりと引き出すと、波型パターンでプレスされ、ナゾの白い粉をまぶされたソフトキャンディが現れた。まるで巨大な酢昆布のよーで、違和感満載な異形の菓子だ。しかも、指でちぎろうとしても、そう簡単にはちぎれないほど強靭な粘っこさをもっている。

10031002過激なまでに安っぽいルックスと想定外の感触に一瞬ひるんだが、じつはこれがひじょうにウマかった。
ざらりとした舌触りと、クセになりそうなギチギチの歯ごたえがもたらす食感の新しさ。そして、意外にも大人の鑑賞に堪える、甘さを抑えたシャープな味で、なかなかリアルなコーラ風味が楽しめる。

ときとして激安駄菓子にも神は宿る。これは我が国でも最高水準の風味をもつ駄菓子(いや、そうはいってもしょせん駄菓子の水準には違いないけど)のひとつである。
しかし、まことに残念なことに、祖国・日本の製品ではない。タイからの輸入品だ。15グラム入り、21円。いったいどうすればこんな激安大特価でよその国から食い物を輸入できてしまうのか、昨今のゆがんだ世界経済のありように首をひねりたくなる一品だ。

スーパーの子供用駄菓子棚で見つけて買った。インターシティが輸入し、やおきんが販売している。

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2010.03.05

絵画の庭@国立国際美術館

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大阪・中之島の国立国際美術館で開かれている『絵画の庭/ゼロ年代日本の地平から』展を見にいった。
といっても、取り立てて現代美術に興味があるからじゃなく、ただ単に、実弟・法貴信也の作品が展示されてるのを見物してこよーと思ったからだ。

この展覧会は、同館の新築移転5周年記念展として開かれた。2000年代、いわゆるゼロ年代日本の現代美術を振り返るといった趣旨だ。
エントランスでは、ギョロ目の女の子絵で知られる奈良美智さんの表題作が来館者を迎え、28名の作家それぞれに1つの展示室が与えられて、計約200点を展示する形をとっている。

現代美術の展示というのは、駄菓子とオモチャにしか関心がないアホイラストレーターなんかが見ると、難解&高尚すぎて、何がなんだかさっぱりワケわかんないことが多いものだが、この展覧会は具象画が大半を占めていたこともあって、意味は全然わからないものの、描いてあるモノの見分けくらいならちゃんとついた。つまり、かなりのアホでもきっちり楽しめる、比較的わかりやすい展示だったといっていいだろう。

たとえ現代美術を理解する知力がなくても、鑑賞だけなら誰にでもできる。また、たとえ鑑賞する眼力がなくても、網膜に反映するだけなら犬にでもできる。誰が視野に入れても損のない作品ばかりなので、大阪近辺の人はチョロッと出かけてみてほしい。
開催は4月4日(日)まで。10時~17時(金曜のみ ~19時)、毎週月曜休館(ただし3月22日(月)は開館、3月23日(火)閉館)。入場料は一般1100円、大学生500円。

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