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September 2009

2009.09.18

謎果実 ポポー

09091801
ふだん南青山のギャラリーSPACE YUIのスタッフとして働いている「まるちゃん」こと丸山幸子さんが個展を開くというので見に行った。ゆるゆるな彼女のキャラクターとは対照的な緻密な作品に驚いたが、それ以上に驚いたのが、オーナーがおやつとして出してくれたポポーという果実である。(←まるちゃん、ポポーに惜敗?)

ちょっと見ただけでも、はっきりと怖い。
なんちゅうか、ぶにゅぶにゅした表皮が内蔵チックなグロデザインで、いまひとつ食欲がわかない果実だ。

09091802見た目ばかりか、ニオイもガツンと強烈で、いったいどんな国からどんな非合法ルートで持ち込んだのかと思ったら、ごくふつうに日本で生えていたものらしい。
じつはポポーは、異様な姿とはうらはらに、さほど珍しい植物ではない。どんな環境でも簡単によく育つため、明治期以降は、日本でも全国的にじゃかすか生えまくり、食いまくられていた、ごくありふれた果物だったという。

でも僕は初めて見たし、初めて食った。ポポーの実は、収穫後すぐにいじけて黒ずんでしまう。とてつもなく足が早く流通に向かないので、一般の青果市場で生き残れず、現代では幻のフルーツと呼ばれるほど稀少になってしまった。

ただでさえブキミなポポーだが、ナイフを入れるとブキミ感はさらに倍化する。なんちゅうか、ごろんとした種が内部に散在しているところが皮膚病チックなグロ系デザインで、いまふたつかみっつかよっつくらい食欲がわかない。

匙ですくって食うその実は濃厚なクリーム状で、べっとりと重く湿っぽい。バナナともマンゴーともアボガドともつかない不分明な味だが、じつはこれがきわめてうまいのだから世の中はわからない。バナナよりもコクがあり、マンゴーよりも香り豊かで、アボガドよりも甘い、たいへん素晴らしい味だ。

最高の味と最低の見た目を併せもち、一気に腐敗が進むブキミなポポー。なるべくして幻となった、生まれながらの幻のフルーツといえるだろう。

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