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May 2008

2008.05.27

ドリアンチップス

08052701強烈な臭気あふるる果実の王様・ドリアンがついにチップスになった。パッケージの説明には「ドリアン特有のニオイを取り除き、おいしさのみを凝縮しました」とある。「くさくないドリアン」という、明らかな開発コンセプトが見てとれる。

パッケージの隅っこでは、ドリアンらしきキャラクターがプラカードを掲げ「ボクくさくない… おいしいよ!」と主張している。わざわざプラカードまで持ち込んで自説を訴えようとする情熱は評価するが、「ボクくさくない」の後にくっついているテンテンテンがちょっと気になる。いかにも自信なさげではないか。
08052702「ボクくさくない……(でもひょっとして、よく嗅ぐとまだちょっとくさいかもしれないけど)おいしいよ!(いやおいしいったらおいしんだよ! みんな信じてよ! 信じられなかったら目をつぶって飲み込んでくれればいいじゃない!)」という、カッコ内に隠されたドリアン必死の本音までがビンビン伝わってくるようだ。

封を切って嗅いでみたが、たしかにくさくない。意地悪く袋の中に鼻を突っ込み、スーハースーハーと深呼吸を繰り返して死ぬほど入念に嗅ぎまくってみるが、やはりダメだ。さらに一口かじってくんくん鼻を鳴らすなど、さまざまな試みをおこなったが、ニオイらしきものはカケラもない。驚くべきことにドリアンチップスはほぼ無臭といってよく、ぜんぜんくさくないのである。

が、心がニオイに集中するあまり、うっかり味のことを忘れていた。あらためて味をチェックしてみると、たしかにうまいし、よくできてはいるものの、わりかし平凡な味で、果実の王様と呼ぶほどのインパクトはない。もしかすると、ドリアンチップス開発担当者も心がニオイに集中するあまり、うっかり味のことを見落としていたのかもしれない。

08052703角を矯めて牛を殺すとはこのことである。ドリアンからニオイをなくせばドリアン本来の風味もなくなってしまうのだ……というガッカリな結論に到達しかけたが、よく考えてみれば、僕はこれまで一度も本物のドリアンを食べたこともなければ、ニオイを嗅いだことすらない。

ドリアンって、ひょっとするともともとこの程度の味なんだろうか? すると僕は「果実の王様」という呼び名に、過大な夢を抱きつつこれまでの人生をムダに歩んできてしまったことになる。それはそれでたいへんガッカリな結論である。

知人がどこかで買ってきてくれた。タイ原産、輸入元 ペンタトニック、23グラム入り、価格不明。

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2008.05.15

宇宙ようかん

08051501漆黒の闇に我らが青き地球を浮かべ、すっきりと日の丸を染め抜いたパッケージ。「宇宙日本食」という耳慣れない惹句には「JAXA認証-JD003」のお墨付きもある。

どうやらJAXA(宇宙航空研究開発機構)は宇宙開発事業に熱中するあまり、ついにようかん宇宙食を開発してしまったらしい。しかし宇宙飛行士だけがその美味を独占するのもどうかというので、終生みじめに地表に這いつくばって生き続けるしか能のない我ら哀れな下々の民草にも、宇宙ようかんを分け与えてくださったものとみえる。
ただ、パッケージ側面の断り書きには「実際の宇宙日本食とは保存方法などの点で異なります」とある。まあ、さしづめ庶民向けの安直な宇宙食レプリカといったところだろう。

08051502封を切ると、宇宙のイメージも鮮やかにキラキラと星のきらめくようかんがあらわれ……てくれれば、企画的にもキレがあっていいんだが、残念ながらそんなことはない。ごくふつうの茶色い小倉ようかんが、ごくふつうにあらわれるだけだ。そして、ごくふつうにうまい。

ケレン味たっぷりのパッケージデザインを除けば、何から何までごくふつうのようかんである。宇宙食としての工夫は、いったいどこになされていたのだろうか? もしかするとようかんって、とくに工夫とかしなくても、わりかしそのまま宇宙に持っていってパクパク食える食品だったのかもしれない。

壮大な宇宙のロマンと宇宙日本食の謎に想いをはせる、JAXA認証・山崎製パン製の宇宙日本食。1箱62グラム入り、104円。近所の100円ショップで売っていた。

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2008.05.11

サムライ・サンダース

080511015月5日の子供の日に、ある鶏肉料理連鎖店の店頭で見かけた。
白いスーツの上に鎧を着込み、兜をかぶり、大刀を構え、ご丁寧にも隻眼にまでなると、おなじみの心優しいサンダースおじさんが、いきなり超凶悪な面構えになる。胸には「一緒に写メ撮れば割引する」との告知札までさげていて商売っけも満々だ。

甲冑類は段ボール製だったから、どうも店員の手作りコスチュームらしいが、あまりにも造形がウマくて高品質すぎるので、手作り感が薄れ、かえって怖さが際立ってしまっている。おそるべき武人サンダースの姿である。

ところでカーネル・サンダースの「カーネル」を彼のファーストネームだと思っている人もいるようだが、そうではない。本名はハーランド・ディヴィッド・サンダースという。カーネルは「大佐」の意味で、つまり彼はふだん「サンダース大佐」と、称号付きで呼びならわされているわけだ。
もっともカーネル・サンダース氏の「カーネル」は軍の大佐のことではなく、ケンタッキー州の名誉称号にすぎない。しかし彼には軍人経験があり、もともと武人だったことに間違いはない。軽く武装するだけで、やすやすと凶悪化してしまうのも、まあ納得できる話なのである。

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2008.05.03

モロヘイヤ&はちみつドリンク

08050301う〜ん、これはキビしい……。いかにハチミツが爽やか健康ドリンク素材の代名詞だといっても、あのモロヘイヤの激烈なぬるぬる感に対抗しうるだろうか。

誇らしく掲げられた「栄養機能食品」の表示には「本品は特定保健用食品と異なり、厚生労働省により個別審査を受けたものではありません」と断り書きがついている。そりゃまあそうだろう。これを保健用だと個別に認定してしまったら、我が国の保健行政もおしまいである。清涼飲料水との表記もあるが、どうせなら「清涼でもなんでもない飲料水」と表記を改めてはどうだろう……。
ジャングルを思わせる緑一色の缶を見つめ、逡巡のうちにひとり腕組みしていると、さまざまな想念が去来する。

08050302プルトップを開けたとたん、どろんどろんのアオミドロ的な粘液系流動体が無遠慮に姿をあらわすのだと思うと、試飲にはさすがに勇気を要した。
が、開封してみると、その水色(すいしょく)は、じつに爽やか。やや薄緑がかっているものの、スキッと透明感あふれるドリンクだ。おぞましいネバネバドリンクへの不安と期待が大きかっただけに、この平凡きわまる姿には肩すかしをくわされ、安堵を通り越して、どことなく落胆さえ感じてしまう。

味もまずまず爽やかで飲みやすい。ちょっとした酸味が加えられ、意外な美味といってもいいのだが、なにかしら哀愁ただよう貧乏くさい後味が残った。
この後味はどこかで経験したものだ……と記憶をたぐると、それがスイカの赤いところを食べ終わって青い皮を執拗にしゃぶり続けているときの味覚そのものだと思い当たった。

健康志向の目新しい商品企画もよければ、味にも見た目にもまったく文句のつけようがない。だが後味だけは、じつに哀しく貧乏くさい。まあ、生まれついてのセレブ系でスイカを皮までしゃぶった経験がないとか、前世にカブトムシだった経験がない人には、思い起こす哀しい記憶もないはずだから、あまり関係ない感想かもしれないが。

八尋産業製、190ml入り、150円。高速のパーキングで買った。

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2008.05.01

お好み焼きパン

08050101
お好み焼き店風ののれんに平仮名で「ふじぱん」の文字、「マヨソースを線がけし、ベーコン、かつお節をトッピング」のコピーをそえ、お好み焼きイラストの真ん中をくりぬいて商品をチラ見せするという企画感バリバリのパッケージデザインを武器に、フジパンが売り出したのがこの「お好み焼きパン」だ。

08050102食パンカテゴリーではかなり健闘しているものの、へんな総菜パンおよびへんな菓子パンカテゴリーでは、山崎製パンに一歩およばない感のあるフジパンとしては、このパンで関西方面の支持を獲得し、一気に巻き返しをはかりたかったのかもしれない。
だが、つねづね進取の精神に富む関西人も、ことソース系食品に関してはひじょうに保守的だ。通天閣から半径5キロ圏内で生産されなかったという理由だけで全否定される食品も多い。お好み焼きやタコヤキの翻案は、イージーにみえて、じつはハイリスクな企画なのだ。

たしかに味は悪くない。ふつうの総菜パンとしてみるかぎり、ちょっと目新しい味として楽しむこともできるだろう。が、ひとたび「お好み焼き」と書かれたとたん、アカンアカンアカン! 違ゃう違ゃう違ゃう! と関西の血が煮えたぎり、騒ぎだす。

08050103せやかて自分、これ微妙に味も違ゃうし、見た目が違ゃうし、なんや分厚すぎるし、なんちゅうても切り口がパサパサやんけ。こんなもん、お好み焼きやのうて、ただのパンやろが!

と、目を血走らせて妙な巻き舌でからんでくるのが、ごく一般的な関西人の姿なのである。そんなとき「いやだなあ、ただのパンって、そりゃもともとパンなんですからねえ」などと冷静・論理的に東京弁で反論でもしようものなら、瞬時に逆上した関西人によって流血の大惨事が引き起こされても文句はいえない。

お好み焼き感を少しでも向上させようと、鉄板にのせ、青のりとかつお節と天かすをふって試食してみたが、お好み焼きパンの味はやはりパンの領域にとどまり、お好み焼きに成り代わるには至らなかった。

製品はけっして悪くない。ただ「お好み焼き」と名付けたことだけが敗因である。「マヨソース・ベーコン・かつお節・円盤パン」と正直に名付けて売っていれば受け入れてもらえただろうに、じつに惜しい。
フジパン製。価格は忘れたが、だいたい100円程度だった。

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