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September 2007

2007.09.30

味わい餡 KitKat

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大衆の味覚を破壊するような奇怪なチョコを次々に開発しては、つねにコンビニの棚に嵐を巻き起こし続けているKitKat新製品開発チーム(仮称)が、ついに和菓子に手を出した。
餡+チョコ。それは和洋両菓子の甘いもの代表をただ真正面からぶつけ合うだけという、芸も工夫も作戦もヒネリも感じられない衝撃の直球勝負だ。
一目で売れないと即断できる菓子でもある。しかし「挑戦」の二文字を高々と掲げ、菓子業界の裏街道をひたすら突き進むKitKat新製品開発チーム(仮称)にとって、売れ行きなどというものは、とるにたりない俗世の塵事にすぎない。うまいチョコをわざわざまずく作りかえてでも、敢えて売れないチョコを作る。その高邁な理想とあくなき開発者魂には、日頃から尊敬の念を禁じえないでいた。

070930bだが、封を開けて落胆した。チョコの中に餡を入れたといっても、ホワイトチョコに餡を練り込んだ、期待はずれの菓子だったからだ。そんなにうまくはないものの、かといって激マズともいえず、人によってはうまいと云いだしかねないマトモ味になってしまっているのだ。
これではいけない。キンキンのカカオ風味満点のチョコに、むせかえるような小豆風味の餡がぎっちり詰まっているからこそ、リバース寸前のエグい味が楽しめる。それをクセのないホワイトチョコで作ってしまったら、まったく意味がないではないか!

勇猛果敢でその名をとどろかせているKitKat新製品開発チーム(仮称ったら仮称)にも、こんな腰抜けがいるということなのだろうか。「売れてほしい」という低俗な期待がチラリと頭をかすめてしまったために、大事な局面で及び腰になり、ホワイトチョコで逃げを打とうとしたのではないか。じつに情けない。
やはりここは「絶対に売れないチョコを開発する」というチーム本来の崇高な信念に立ち返り、カカオ率80%以上のエクストラビターチョコ&ねっちり粒あんの組み合わせで徹底的に攻めの姿勢を貫き、フルコンタクトなガチンコ勝負に出てほしかった。

ネスレコンフェクショナリー製、8枚入り。パッケージに「期間限定」と断りが入れてあるが、いちいち断らなくても、これなら自然に期間限定商品になるだろう。

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2007.09.28

こまどり&雷鳥

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商品名は、ときとしてビッグヒットを生み出すことがある。「フレッシュライフ」から「通勤快足」に名前を変えたとたん爆発的にヒットした靴下の例をみてもわかるように、メーカーは商品開発と同じくらい商品名にも情熱をこめ、工夫をこらす。だが駄菓子業界には、工夫することを知らなかったのか、あるいは工夫をこらしすぎたのか、まったく意味不明で、売れ行きが心配になるようなあやしい商品名が散見される。

これは駄菓子界の二大珍鳥ともよばれる「こまどりのすずやき」と「雷鳥」だ。「こまどり」のほうは単なる鈴カスで、「雷鳥」のほうは単なるひねり揚げ。どちらも商品にはなんの関連もなく名付けられたようにみえる。

070928bが、「こまどりのすずやき」を調べてみると、大阪のこまどり製菓の製品だということが判明。正確にいえば「こまどり」は商品名ではなく、社名なのだ。社名と商品名がごちゃごちゃに扱われているあたりに論理の混乱を感じなくもないが、それなりに根拠のある名だといえるだろう。また実際のコマドリは、オスの場合、顔や上胸、尾などが明るい赤褐色、下腹まわりが灰色だから、そのつもりで見れば、なんとなく鈴カスに似ているといえなくもない。
「こまどり」は、あんがい商品の特性を考え、練りに練ってつけた名前なのかもしれない。結果としては惨敗していると思うが、その努力を買いたい商品名だ。

070928cいっぽう雷鳥は、千葉の山中製菓の製品だ。強烈にガーリッキーな独特の風味は評価に値するものの、商品名にはまったく何の根拠も見あたらない。
ライチョウは夏羽と冬羽で色が変わる鳥だが、パッケージのイラストは夏羽のオスと思われる。しかし鳥類図鑑を端から端まで調べてみても、ライチョウが全身明褐色をしており、頭から尻まで縄のようにネジネジとねじくれた形をしていて、やたらニンニク臭をまき散らし、食べると激しく胸焼けする鳥だとはどこにも書いていなかった。つまり、この商品と実際の鳥とは、似ても似つかぬ間柄だといえる。
「雷鳥」の名は、おそらく社長室に雷鳥の剥製が置いてあったからとかなんとかいうその場しのぎの理由で、ごく適当につけられてしまったのではないだろうか。哀れである。ネーミングにあたり、いま一歩の努力を期待したい。

昨今は自然環境の悪化によって、野鳥たちの絶滅が心配されている。せめて、売れ行きの悪化によって駄菓子界の野鳥たちが絶滅してしまわないことを祈りたい。

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2007.09.16

チュッパサプライズ

070916これはチュッパチャプスの進化型、チュッパサプライズだ。
チュッパチャプスは、きっと誰もが一度はしゃぶったことがある飴だろう。他の棒付きキャンディの大半がうんざりするほど大きく、途中で飽きてしまうサイズなのに較べ、だんぜん小振りなのが大きな特色である。

だが、いかに小振りで食べやすいチュッパチャプスといえども、一気に食べると後半で飽きてくる可能性がないともいいきれない。そのため念には念を入れ、食べきれない場合に途中でいったん休憩できるよう、キャンディに格納ケースを付けたのがこのチュッパサプライズだ。
球体の上半分はドーム状の蓋になっており、自在に開閉が可能。チュッパチャプスを棒付きのまま格納でき、ストラップで首からさげて持ち歩くこともできる。

070916bチュッパチャプスをベロベロとしゃぶる児童らは、甘ったるい味に飽きかけるとすばやくケースに格納し、しぱらくして甘味が欲しくなると、また取り出してしゃぶり続ける。このようにして、彼らは日本古来の「モッタイナイ精神」を学び、キャンディをはじめとする、限りある地球資源の大切さを知るのである。児童の環境教育の観点からみて、じつに素晴らしい製品だといえよう。

また、ルーズで柔らかいポリ塩化ビニル製の留め具でストラップがつながれており、首にかけたまま強い力がかかると即座にはずれる安全対策がなされているのも見逃せない。児童の事故防止の観点からみても、じつによくできた製品だ。

070916cただ、ケースに防水加工がされていない点だけは惜しまれる。しゃぶりかけのキャンディを格納したチュッパサプライズからは、ダラダラと際限なく唾液が漏れだすため、児童は必然的に全身べったりと粘着性の液にまみれる結果となる。
ある調査によれば、このように粘着化した児童がおろしたての新品スーツにいきなり飛びついてきた場合、良識あるビジネスマンの約90%が反射的に彼らを突き飛ばし、場合によっては罵声を浴びせたり叩きのめしたりするともいわれる。
児童の虐待防止の観点からみると、まだ改善の余地がある製品だといわざるを得ないだろう。

ちなみに内蓋に「ポケットモン某」とかいう化け物のキャラクターをかたどったパーツが付属していたが、機能的にまったく意味のないたんなる装飾だったため、その部分は購入後、すぐ廃棄した。発売元はタカラトミー、菓子はスペイン製、玩具は中国製、199円。

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2007.09.11

ゲームチョコ アヒー

070911おどろおどろしい書体で「誰かが犠牲になる」のコピーがつき、「どれか3個は激辛チョコ」だともうたわれている。いわゆるロシアンルーレット菓子のひとつだ。

基本的にはオレンジクリームが入った普通のチョコだが、アタリ(ていうかハズレ?)チョコには赤唐辛子の辛いクリームが入っている。僕は2個目でアタリ(またはハズレ)にヒットしたが、たしかに辛いものの、せいぜいピリピリするくらいで、激辛というほどではなかった。割ってみると両者はクリームの色が少し違う。下の写真右側の赤っぽいのがアタリチョコだ。

12個のうち3個がアタリだから、的中率は4分の1。だがロシアンルーレット菓子の場合、もう少し低めの的中率が望ましい。あまりちょくちょく当たると、ロシアンルーレットリーな高揚感が味わいづらいからだ。基本的にはひじょうにうまくて、食べる喜びいっぱいの菓子のはずなのに、ごくまれに激しくマズいやつに当たるからこそ、スリリングなエモーションの落差を味わえる。だから的中率は、おおむね6分の1以下を目安に設計することを強くお勧めしたい。

070911b私見によれば、良質なロシアンルーレット菓子には下記の3つの条件が揃っていなければならない。すなわち「的中率が一定以下に抑えられている」こと、「当たった場合に死ぬほどマズい」こと、そして「基本的にはたいへんうまい」ことだ。
ゲームチョコ アヒーは、的中率が高すぎてスリルに乏しく、当たった場合にさほど辛くもマズくもないところに問題がある。いやそれよりも、そもそもあまりうまくない菓子だという点がいちばん大きな問題なのかもしれないが……。

チロルチョコ製、12個入り、128円。近所のスーパーで買った。

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2007.09.07

パッションフルーツ羊羹

070907この羊羹は、ライターの野岸"ねぎ"泰之さんが八丈島旅行のみやげにくれたものだ。トケイソウの実、いわゆるパッションフルーツをふんだんに使った羊羹だ。八丈島の発明家が、手近にあったパッションフルーツジュースを白あんにドボドボと混ぜ込んで作ったものと推察される。

それにしてもさすがは亜熱帯の八丈島、サブトロピカルな激熱パッションがビンビンと感じられるムチャな企画だ。なんとか新奇な菓子を開発しようと、情熱まかせにやってしまいました感アリアリのみやげである。パッションフルーツを入れるのはまあいいとして、なにも羊羹まで行ってしまうことはないだろう。情熱が先走るあまり、「これはさすがにやりすぎではないか」と自らを省みる冷静な論理が働かなかったのかもしれない。
当然のことながら忍耐力が試される味となっている。一口目で胸が苦しくなり、食べ進めるにつれて生きる気力が奪われてゆく。一切れならともかく、一本丸ごと食べるとなると、まさに艱難辛苦の道のりというほかはない。

さて英語の「パッション」という語は、ふつう「情熱」と訳されるが、これとは別に「キリスト受難」の意味もある。じつはパッションフルーツは「情熱」の意味ではなく、「受難」のほうから名付けられた果物だ。めしべがキリスト磔刑の十字架にみえるのがその由来だという。
てっきりパッションフルーツは情熱の果実だと思っていたら、意外にも受難の果実だったというわけだ。パッションフルーツ羊羹もまた、情熱の羊羹ではなく、受難の羊羹という意味なのだろう。

販売元は八丈観光物産。310グラム入り、もらいものなので価格は不明。
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2007.09.04

しべりあ

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しべりあ。衝撃的な商品名だ。語のもたらすインパクトもさることながら、とまどう購買者を突き放すかのように、商品名について一言半句の説明すらくわえしようとしないメーカーの冷酷な態度もまた素晴らしい。

ぺたんとしたカステラ生地にぺたんとした水ようかんペーストを挟んだ抑揚のない商品デザインも、どこかシベリアの冷気と、灰色の雲がひくく垂れ込めた陰鬱な空を感じさせる。冷たく、暗く、その果ては死の国へ続くかとさえ思われる、びょうびょうたる凍土の大地……。削ぎ落としすぎるまでにすべてを削ぎ落としたシンプルなデザインが、シベリアの歴史と風土、文化のすべてを如実に物語っているといえるだろう。

070904b見ただけで心が寒くなる。99ショップに売っていたと思うとますます寒くなる。封を切ると、食道から直腸へと到る全消化器系がゾクゾクと寒くなる。

しべりあ。まさにその名がこの商品のすべてであり、この商品の本質なのだ。
雪に閉ざされ、風にさいなまれ、すべてに耐えて生きる苦難の日々。ああ、父よ、母よ、恋人よ、ふるさとよ。私は生きて再び祖国の土を踏むことができるのだろうか……。

無窮の大地シベリアに万感の思いを馳せる山崎製パン製の生洋菓子。本体99円、税込み104円。わざわざ書くまでもないが、味のほうもけっこう寒い。

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2007.09.01

そろばん団子

070901箱の隅に張ってある金色のシールには「おおさか新名物 この商品は大阪市と大阪小売商団体連合会が共同で実施する「おおさか新名物開発事業」で優秀と認められたアイディアに基づき商品化されたものです」とある。
いわば大阪市お墨付きのオフィシャル大阪みやげだといえる。いかにもえげつない大阪市が公認したらしい、えげつない菓子で、黄白を卑しみ、銅臭を嫌う東京の君子などにはなかなか思いつかない企画だ。別の意味ではかなりえげつない都知事だって、これを東京名物として公認しろといわれたら難色を示すのではなかろうか。

このそろばん団子は、すはま団子に似た味で、添付のきなこをかけて食べる。けっして悪い味ではないが、見た目以上にキンキン甘く、かなりベタな味だ。だが、やはりこの程度の菓子を食いこなせないようでは、コテコテの大阪食文化圏で飯を食ってゆくことはできないのだろう。
またこの団子は、ただ食用にするだけではなく、丁稚のそろばん練習用としても使える。実際に計算をしてみると、玉が串にベタついてひじょうに動かしにくい。だが、やはりこの程度のそろばんを軽く使いこなせないようでは、えげつない大阪商圏を生き抜いてゆくことはできないのだろう。

070901b大阪の知人がみやげに持ってきてくれた。春にこっちに移転したのを機に、東京人になりすまそうとしている僕に、知人は「東京の水はどないでっしゃろ? もうかりまっか?」と尋ねてきた。反射的に「ぼちぼちでんな」と答えて、僕が地金をさらしてしまったのはいうまでもない。
幸成堂製、35個入り、きなこ付き。貰い物なので価格は不明だ。

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