福だるま
おなかに福マークが付いただるまの形が愛らしい。なにしろ伝統和菓子の超激戦区、京都・三条の店の菓子だけに、素朴な中にもじわりと深い味わいがあり、絶品の甘味が楽しめる。
当たり前といえば当たり前だが、いっぱい入っているだるまのどれを取っても、味はキッチリ同じだ。ところがそのデザイニングには、ワザとやってるとしか思えないほど激しいバラつきがある。
それぞれのだるまの顔とボディは、それらが当初、同じ造形物として計画・生産されたとは認めがたいほど見事にバラバラで、しかもその9割には、どこかしら物悲しげな出来そこない感すら漂っている。
ひょっとすると、人間存在の出来そこない感を、それとなく菓子で表現した社会風刺なのだろうか。京都の菓子は、さすがに深い。
ちなみに、1袋の福だるまの中には、必ず自分とよく似た顔が入っているといわれている。さらに、それを食べずに1年間たいせつに引き出しの中にしまっておくと、激しくカビが生えて大変なことになるともいう。
前半は僕が今さっき思いついた伝説で、後半はまぎれもない科学的事実である。興味のある人は、ぜひ一度試してみてほしい。
本家 船はしやの作。店の住所が「京・三条大橋のたもと」とだけ記されているところにも、「よっぽど田舎の人やなかったら、これで誰でも場所わかりますやろ」的な京都人っぽさがにじんでいる。
分量不明。もらいものだから価格も不明だ。




住みなれた京都を離れ、東京に活動拠点を移してそろそろ3年になるが、京都展に来てくださるお客様は、年を追うごとにむしろ増えている。僕がどこに住もうと、つねに変わらず僕の仕事を支えてくれる馴染みのお客様や古い友人たちに会えるのも、このクリスマス展の楽しみのひとつだ。
おかげでたくさんのお客様に恵まれ、充実した会期が過ごせたが、反省点もふたつあった。



最近ではすっかり珍しくなった王冠付きのビンにライトグリーン系のサイダーが詰まっている。見た目の毒々しさのわりに、飲めば意外とスッキリ爽やかな喉越しだが、香料がやたらに強く、プンプンと激しくにおう。それはリアルバナナのにおいではなく、昔懐かしい子供用消しゴムのにおいそのものだ。

最近ペプシが暴走して、あちこちで不評を買っている。キュウリ味だかシソ味だか、やたら奇怪なペプシを連発してきた同社だが、先日とうとうアズキ味を出してしまった。
「1・將麺體捏碎」「2・撕開調味包、撒入袋中」「3・抓緊包装袋上端搖一搖、即可食用」とあるが、なにしろ中国語では意味がわからないので、再びインターネットを活用すると、瞬時に自動翻訳することができた。
「統一的に脆いですか?」(台湾名・統一脆麺)は、見た目はかなり安っぽいが、そのわりにピリッと香辛料がきいたエキゾチックなベビースターラーメンといったところで、なかなかうまい。しかも、それなりに腹もふくれる。中国語の解読でヘトヘトに疲れ果てた脳に、油脂&糖質&塩分がビンビン注入されるナイスな菓子あるいは料理である。
おかげでたくさんの方にご覧いただき、盛会となって、楽しく過ごせた素晴らしい毎日だったが、反面で意外なトラブルも多い個展だった。
おまけに会期中に、事務用パソコンのハードディスクがいきなり吹っ飛び、データがぐちゃぐちゃになるという不運まであった。

見た目ばかりか、ニオイもガツンと強烈で、いったいどんな国からどんな非合法ルートで持ち込んだのかと思ったら、ごくふつうに日本で生えていたものらしい。

信州を通る高速のパーキングエリアで、「パリパリきゅうり ビール酵母漬」のアルミ缶を見つけた。漬物の缶詰は珍しいし、パリパリきゅうりの食感が楽しめる信州みやげも悪くない。帰ったらこれで白メシでも食おうと、さっそく購入し、東京に持ち帰った。
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